新車の慣らし運転を兼ねたロングツーリング。
かつて若狭湾で取れた鯖を徒歩で京都に運んだ道、鯖街道をなぞる旅。
国道27号、303号、367号がそれにあたりますが、それを京都側からアプローチ。
12月ですから当たり前なのですが、滋賀県今津町ではかなりの積雪でちょっとびっくり。
福井県側に下りて雪はなくなりましたが、寒風が身にしみるツーリング。
それでも行きたかった三方五湖を初めて眼下に見て感慨もひとしお。
複雑に入り組んだ自然の造形美。
どうしてこの季節に酔狂なツーリング企画を、と我ながら思いますが、どうしても行きたい所があったのです。
小浜駅前の商店街にある東寿し。
関西支社でグルメ嗜好の一致するK次長のブログを見て知ったこの店にロックオン。
元々三方五湖には行きたかったのですが、ここの寿司を食べるなら冬だと思い真冬の若狭越えとなった次第。
冬の小浜駅前商店街は日曜日ということもあって寂しい限りでしたが、不定期休業のこの店は幸い開いていました。
14時前の入店で店内はカウンターに親子連れが一組だけ。
私もカウンターの端に腰掛けメニューを眺めます。
にぎりが二種類あるようなので、ご主人に伺い若狭湾沿岸でとれた魚限定のにぎり寿しをお吸い物付きでお願いしました。
穏やかで、それでいてどこかおどけた調子の喋りで人の心を掴む素敵なご主人。
写真掲載は固辞されてしまいましたが、とても明るく楽しい方です。
お吸い物。
右からアジ、ハタハタ、ハマチ、小鯛のすずめ。
美しい艶。
大阪、和歌山の名物として知られる小鯛のすずめ寿司。
実は当地の名物でもあります。
穴きゅう巻。
鯖は軽く締めただけで、鯖本来の生の風味と脂が楽しめる絶品。
これを食べる意味を身体で感じるために今日は鯖街道を走ったのです。
「もう一貫お好きなものを」とご主人に勧められネタケースにあったイシダイをおろしてもらいました。
腹身をお願いしたのですが、サービスで背中も握ってくれました。
ハタハタの造りもおまけで。
「ハタハタといえば秋田ですよね?」と私が問うと、ご主人は「ハタハタはここの沖を通って行くんですよ」とニコニコしながら解説。
もう少し食べたかったので鯖と小鯛のすずめ寿司を追加でお願いしました。
脂の乗った浅締めの鯖とほんのりと酢が効いて程よく締まった小鯛のすずめ寿司に改めて納得。
隣の家族連れも私も一見にも関わらず人懐っこくおどけた調子で接してくれるご主人。
レストランの実力は味、雰囲気、サービス、値段の全てのバランスだということを改めて実感したランチとなりました。
帰路は、昔峠をいくつも超えて塩鯖を担いで都に向かったいにしえの人たちに思いを馳せながら、西の鯖街道と言われる周山街道、今の国道162号線を夕闇の中バイクを走らせました。
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