ポツポツと雨が降って来ました。
こんな日は楽しく会話しながらひとり酒がいいな、と思い南扇町の旬味ひげに電話しました。
いつもは大勢のお客さんで賑わっているこの店が珍しく閑古鳥。
天気のせいもあるのでしょう。
カウンターにはいつもホワイトラベルでご一緒するH夫妻のご主人がご友人の方とお二人で飲んでいました。
ここでお会いするのは久し振り。
生ビールを一口飲んでから、今日のオススメからいつものように品定め。
するとマスターが
「今日は新潟尽くしはいかがでしょうか?」
と話しかけて来ました。
マスターの郷里は新潟。
「山うどの良いのがいっぱい入ったんです。それと栃尾油あげで」
「いいですね。それでお願いします」
山うどはキンピラを。
栃尾油あげは大好物。
新橋の加賀屋でよく頼んだのを思い出しました。
たっぷりの葱の上からお醤油をかけて頂きます。
分厚い栃尾油あげは意外とふんわりしています。
この食感が好き。
キープしてある赤霧島をロックで。
その後、やはりホワイトラベルでご一緒するIさんも、お仕事関係の方とご来店。
今日はなんだか、旬味ひげがさながらホワイトラベルになったよう。
岩ガキも頼みました。
冬が終わると岩ガキの出番。
もみじおろしで。
酒が進みます。
天然鯛のきずし、というのが気になりました。
たっぷりの生姜と一緒に。
ここは浅締めなので、素材の味が活かされています。
大阪の夏と言えば、水ナス。
これも浅漬けでさっぱりと。
焼魚が食べたくなりました。
「今日はカブトは何があるの?」
「鮭と鯛がありますけど、鯛はちょっと大きいですね」
「じゃあ、鮭にします」
もちろん一番旨いほっぺと目玉から。
その後じっくりと周辺を攻めていきます。
赤霧島を嘗めながら、マスター夫妻や常連さんと会話しながらの楽しい作業です。
綺麗に頂きました。
〆は定番の鴨吸いで。
鴨肉がたっぷりの葱とお豆腐と卵で綴じられ、優しいお出汁でまとめられた逸品です。
後半で私のお隣に座った常連さんは、以前からよくお見かけしていましたが、初めて名刺交換。
とても気さくで陽気な方なので、私も残念。
でも、こうした出会いが酒場の常。
また会えた時の楽しさも増す、というものです。
表に出ると、雨はまだ降っていました。
マスター夫妻に見送られ、私はゆっくりと自宅へ向かいました。
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