天満駅から少し北に上がったところにある餃子の王将の横に狭い路地があります。
その路地の奥に赤い看板が見えます。
中国庶民料理珉珉と書かれています。
数多くある珉珉のチェーン店ですが、全く雰囲気は異なります。
たまたま同名の独立店かと店主に確認しましたが、やはりチェーン店だそう。
なんとも言えないタイムスリップ感です。
70代と思しき柔和な老夫婦が二人で切り盛りしています。
とりあえず瓶ビールを頼みました。
嬉しい赤星。
自家製キュウリの漬物というのが気になりました。
餃子と漬物を頼み、後はじっくりメニューを眺めながら、組み立てを考えます。
自家製キュウリの漬物は一本まるごと。
味の素がたっぷりかかっていて、嬉しくなりました。
ちょっと酸味を感じる古漬。
いい糠床です。
少し醤油を垂らしていただきます。
カウンターには私以外にもう一人。
どうやら常連さんのようです。
餃子が焼き上がりました。
雑然とした盛り付けですが、いかにも下町中華っぽくて私は好き。
単身赴任サラリーマンの金曜日に相応しい晩ご飯。
餃子は薄めの皮で焼き面はカリッと、反対側はふんわり。
ニラとネギがたっぷり入ったジューシーな餡。
野菜を摂らなくてはいけません。
韮とレバー炒めを頼みました。
レバーは片栗粉でから揚げになっています。
やや塩気の多い味付けが、酒のアテにぴったり。
ご飯も進みそうです。
また常連さんがやってきました。
4人でL字カウンターの一番奥に陣取って、餃子とキュウリの漬物を頼んでビールを飲み始めました。
どうやら私のオーダーは間違っていなかったようです。
二軒目なのか、既に出来上がっている面々の会話を聞きながら、私は老酒をロックで頼みました。
一合瓶からジョッキにドボドボっと。
ロックなど頼むお客もいないので、ちょうどいい大きさのグラスが無いのでしょう。
こんな事も好ましいと感じるのは、私がB級グルメだから。
かなりお腹はいっぱいですが、3年越しで気になっていたお店ですから、もう一品何か締めを。
壁に貼ってあったビーフンが、カロリーも少なくて良さそう。
もっとも、今更カロリーを気にしてもしょうが無いのですが。
店主が手際よく野菜を切り始めました。
鍋を揺する音も耳に心地良い。
「はい、お待ちどう!」
とカウンター越しに渡された焼ビーフン。
この時の店主のにこやかな表情がすごく良い。
目尻の皺に美しい年輪を感じます。
キャベツ、にんじん、タケノコ、もやし、細切り牛肉が入っています。
中華スープと塩と醤油の濃いめの味付けは、飲んだ後の〆に最適。
狭い路地の奥に時間が止まったような昭和レトロな中華。
初めてこの店を見かけてからもうすぐ3年が経つんだな、と思いながらジョッキに残った老酒のロックを飲み干しました。
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珉珉 天五店 (中華料理 / 天満駅、扇町駅、天神橋筋六丁目駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.3
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