その時もお好み焼きや、牡蠣、穴子など美味しい料理を食べたので、牡蠣シーズン到来に合わせてまた旅を計画しました。
原爆ドームや宮島など代表的な観光スポットは前回観て回ったので、今回は訪問地を変えてみました。
マイブームの朝ドラ「マッサン」の主人公の生まれ故郷でもある広島の竹原、亡き父が育った呉、そして私の両親の実家のある山口県でありながら未だに訪れたことのない岩国の錦帯橋を旅程に組み込みました。
宿は広島で、ランチは各地のご当地グルメを、夜はお好み焼きと牡蠣焼きを食べるプランニング。
早起きして新幹線。
広島で乗り換えてJR山陽線で50分の電車旅。
昭和の匂いを感じる駅舎です。
山口県は東西に長く、岩国は広島経済圏との結びつきが強いと聞きます。
岡山から降り出した強い雨は、西に向かうに連れて雨足も弱まり、岩国に着いたときには傘もいらない位になっていました。
どうやら天候にも恵まれそうです。
まずはランチ。
名物の岩国寿司はわざわざお店で食べるほどでも無いと聞き、帰りに駅弁で調達しようと考えました。
駅前の大衆食堂寿栄広食堂のラーメンが美味しいという東京の飲み友達の情報もありましたが、それは胃袋に余裕があれば、ということにしました。
事前検討の末選んだのは、駅からタクシーでワンメーターの割烹 福源。
地元に人気の割烹で、ランチの海鮮丼が美味しいと評判です。
予約必須と聞き、一週間前に開店時間の11時半でお願いしておきました。
宴会のグループもいるのか、会席のセットが用意されているテーブルもありました。
お店の電話が鳴りますが、既に予約で満席なので待ちになるとお店の方が返事をしています。
予約しておいて本当に良かった、と安堵。
1,500円です。
まずは駆けつけ一杯。
旅の始まりを祝して生ビールです。
ジョッキもしっかり冷えていました。
お酒は希少銘柄も含めて充実したラインナップですが、ランチなのでこれ一杯で我慢。
15分ほど待って出てきました。
大迫力の海鮮丼。
鯛の潮汁。
まずは一口。
しっかりと旨味が出ていて美味。
茶碗蒸し。
サラダ。
丼にはカニやエビ、いくらやウニなどの高級食材。
厚い切り身のいろんな魚がてんこ盛り。
一気に食べたかったので、エビの殻を剥き、カニも身をほぐしました。
黙々と地道な作業を続けた後は、ワサビを溶いた醤油をかけ回して頂きます。
一切れの切り身がとても大きく分厚いので噛み切れません。
結局一口で食べることになります。
茶碗蒸しで箸休め。
これは見た目以上に相当手強い海鮮丼です。
玉子焼きは東京風にちょっと甘味のあって、焦げ目がある位しっかりとした固焼きです。
出し巻が大好きな私ですが、これはこれで好き。
中盤からかなり苦しくなってきました。
ご飯の量はさほど多くはありません。
大量のお刺身が余ってしまうという嬉しい悲鳴。
普通の海鮮丼とは逆の意味でライスコントロールが必要です。
何とか食べ切りました。
豪快なボリュームですが、味は繊細で美味しい食材がたっぷり。
これはお値打ちでした。
他のテーブルのお客さんが頼んでいた天丼もすごい量。
地元の方と思しき私よりも遥かに年配のご婦人方が、談笑しながらペロリと平らげています。
岩国のご婦人には完敗です。
お会計をしようと座敷を出ると、入口には行列が出来ていました。
かなりの人気店で待たずに食べれたことに感謝し、これから始まる旅も良いことがありそうな予感がしました。
錦帯橋へは岩国駅からバス。
錦帯橋周遊プランという錦帯橋までの往復バス代や錦帯橋の入場料、岩国城へのロープウェーなどがセットでお得になったチケットを購入します。
バスで約20分。
バスを降りると目の前の視界が広がります。
錦川を挟んだ対岸の山の上には岩国城が見えます。
雨が上がったばかりで、霞がかかって幻想的。
左手に目をやると、そこには錦帯橋が。
小学校の時に図鑑で見て以来ずっと来てみたかったその橋が、目の前に。
45年は経っているでしょう。
感動の瞬間。
河川敷に下りて橋を下から眺めると面白いというガイドブックの説明に従います。
1673年、岩国第三代藩主の吉川広嘉が錦帯橋を架けましたが、残念ながらすぐに流失しました。
その後「流されない橋」への工夫と改良が重ねられ、現存する橋は「平成の架け替え」によるものです。
5連の構造(中央の3連はアーチ橋)という、世界的にも大変希な構造。
これは「流されない橋を作りたい」という先人たちの情熱と、独自に発展した架橋技術によって生み出されたものだそうです。
仰ぎ見れば、岩国城。
有料ですが、周遊券を買ったので往復料金は込み。
美しい風景に、ただ感動。
長年の謎が解けました。
「アーチの部分の路面はどうなっているのだろう。あんな急な角度だと滑って登れないのではないか」
と幼心に抱いていた疑問は、あっさりと氷解しました。
階段になっていたのです。
静かな流れの錦川が鏡のようです。
この川が度々氾濫して橋を流すとは思えません。
ある時、杭州の名勝西湖について書かれた 『西湖志』を手にした広嘉は閃きました。
そこには五つの小島にかかる小さなアーチ橋が描かれていました。
「錦川にいくつかの島を築いて、これにアーチ橋を架ければいいのだ」と。
その絵にヒントを得たアイデアは、すぐに実現に向けて進むこととなりました。
絵にある小島のような頑強な橋脚が築かれることになったのです。
橋脚は、水流方向にとがった角を持つ紡錘形とし、水の抵抗を最小限にとどめる形状にするなど、様々な工夫がなされました。
錦帯橋を渡ると山口県立岩国高等学校の跡地に造られた吉香公園が広がります。
岩国藩五家老の一つ、香川家の長屋門。
シロヘビ観覧所。
何かと思って一瞬ドキッとします。
岩国のシロヘビは、アオダイショウのアルビノが遺伝的に固定している種。
目はルビーのように赤く、全身は白く 光沢があり、神秘的。
アルビノは普通一世代限りの先天的にメラニンが欠乏する遺伝子異常ですが、岩国のシロヘビは形質が遺伝で維持されている個体群で、世界的にも非常に珍しく貴重なものだそうです。
昔から人々がこの珍しいヘビを有益で幸運を呼ぶ家の守り神として大切に保護して、その数を増したと考えられています。
ロープウェイに乗って岩国城のある城山に上ります。
この往復券も周遊券に付いているので大変お得。
眼下には先ほど巡った吉香公園や、錦帯橋が小さく見えます。
ロープウェイから歩いて5分ほど。
岩国城に着きました。
今の天守閣は昭和37年に再建されたもの。
眼下に広がる美しい眺め。
錦帯橋の向こう側にかつての城下町があり、武士たちはあの橋を渡って登城、今で言うなら通勤していたのです。
再び錦帯橋に戻ってきました。
夕暮れが迫り、先ほどとは違う表情を見せています。
岩国駅まで再びバスで。
偶然来たのはおはんバス。
岩国ゆかりの宇野千代にちなんで作られたラッピングバスです。
ランチの海鮮丼はまだ胃の中で消化されずに残っています。
岩国寿司も駅前ラーメンも諦めて、JRに乗り込みました。
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