午後からは冷たい雨が本降りになってきました。
こんな日はゆるりとひとり酒。
「竹うちだな」
とひとりごち、店が仕込みの時間を見計らって予約を入れ、19時に暖簾をくぐりました
与力町の小料理竹うち。
まずは冷えた生ビールから。
ここの奥さんはビールの入れ方が上手い。
正面の黒板を眺めながら組み立てを考えます。
とはいえ、気ままなひとり酒。
あまりこだわる必要もありません。
野菜不足を意識してほうれん草と菜の花からし和え。
春の訪れを感じます。
お酒は赤霧島のロックに。
かきホイル焼き。
この前はバター焼きでした。
こちらは冬の味覚の代表選手。
冬から春へ、季節の移ろいを感じる品定めをしてみました。
ひとり酒を飲みながらのひとり遊び。
シーズン終わりが一番肥えているというカキ。
確かにその通りです。
ポン酢に浸けて。
よく冷えたトマト。
栄養バランスだけではなく、口中をさっぱりさせる効果大。
暖簾をくぐった時は満席でしたが、次第にお客さんも帰り、席にも少し余裕ができました。
奥さんが私のブログを読んだのか
「この前、ツーリングで湯浅に行かれましたよね?行かれたお醤油屋さんの近くが主人の実家で、光の湯の近くが私の実家なんです」
「え、そうなんですか!?それは偶然でしたね」
珍しく手隙のご主人を交えて3人で湯浅の話。
これだから、馴染みの店のひとり酒は楽しい。
今日は刺身よりも焼魚か煮魚の気分。
鯛あらだきが目に止まりました。
何度か友人と来た時などに頼んでいますが、記憶もあいまいで、出てきた時は想像以上に大きくてびっくりしました。
あらは大好物。
一つ一つ部位に応じた攻略方法があります。
箸と口と手を駆使して身を残さずに食べる楽しさ。
カニを食べる楽しみにも通じます。
私が黙々と鯛と格闘している間、マスターご夫婦は私を放っておいてくれます。
それも、またこの店らしい思いやり。
奥さんがさりげなく新しいおしぼりを置いていきました。
綺麗に頂きました。
この後はマイブームの煮汁TKG。
奥さんに卵かけご飯のセットを頼みます。
「この前、ブログで見たのと同じように食べたいっておっしゃるお客さんがいましたよ」
「僕のを見て、ですか?」
「ええ、そうです」
何だか責任重大だな。
ご飯は少な目で。
このお新香が美味しい。
ここの卵は濃厚な黄身の色。
あらの小さな身も残さずに。
これを撹拌します。
この程度の粗めが丁度いい。
お新香をのせてズルズルっとお茶漬け風に。
一気に頂きました。
思いもかけず煮魚からのTKGとなったために、取り置いてもらった鯖棒寿司がお腹いっぱいで入りません。
「すいません、持ち帰らせてください」
竹皮で包まれた鯖の棒寿司を手に下げて、雨の降る町を自宅へと帰りました。
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