もちろんここも定員5人の小さな店。
今日は日本酒で攻めてみようと思います。
今週は仕事も疲れたし、明日は土曜日。
沈没しても構いません。
「ここは地獄谷。とことん奈落の底まで落ちるのも悪くないな」
マスターに銘柄をお任せ。
注がれたのは広島の銘酒、軟水の辛口酔心。
突き出しは烏賊人参。
私の隣の常連さんは、下ネタがスパーク。
一軒目でもそうでしたが、今日はそんな日のようです。
とはいえ、地獄の底の飲み屋。
何があっても受け入れるのが作法なのです。
居心地の良さ、といえばそれまでですが、街と店と店主と客が作り出す空気感が堪りません。
いい塩梅、という日本語が頭に浮かびます。
酒もアテも旨いですが、なんとも言えない店主の語り口に惹かれて通っていると言っても過言ではありません。
お客さんは入れ替わり、以前お会いした常連さんと再会。
二杯目は灘の大黒正宗。
マスターのフェイスブックで工事中の二階がグランドオープンしたと知りました。
2階にあるお手洗いに行くついでに覗いてみました。
1日限定1組様、完全予約制。
鹿籠豚(さつま黒豚)のしゃぶしゃぶを出してくれるそうです。
お酒、その他の料理は事前に打ち合わせ。
時間無制限、お一人様から最大6名様まで。
ちょっと摘みましょう。
鯖は売り切れていたので、イワシのへしこ。
猛烈にしょっぱいですが、日本酒にはよく合います。
〆は酎ハイ。
キンミヤを能勢で割って。
この辺りから記憶は曖昧ですが、私が炭酸を残すはずがないので、二杯飲んでいると思われます。
後から来た若い常連さん二人とも絡みながら楽しい会話。
マスターをハブに、狭さも手伝って、この店に来るお客さんとはすぐに打ち解けられます。
そもそも地獄谷に飲みに来る人たちですから、仲良くなるのは必然。
時計を見ると0時を大きく回っています。
「最悪はタクシーだな」
と思いながらふらふらと地獄を後にしました。
ギリギリ終電に間に合いましたが、気がついたらソファの上。
スーツを着たまま6時間位寝ていたようです。
机の上にはコンビニで買ったおにぎりとすみれのワンタンスープがありました。
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