大歩危小歩危峡に沿って国道32号線を走ります。
元鉄ちゃんの私は、まずは土讃線の大歩危駅にご挨拶に立ち寄りました。
今では鉄道でこの地を訪れる人も少ないでしょう。
なんとも旅情をそそるローカル線のホーム。
昨夜泊まった小西旅館はこのずっと先にあたります。
大歩危峡といえば川下りやラフティングが有名です。
結晶片岩が水蝕されてできた溪谷は、大理石の彫刻がそそりたっているかのように見えます。
春は桜、秋は一面の紅葉が清流に色をそえ、スリル満点の舟下りが楽しめるそうです。
「大歩危」(おおぼけ)の地名の由来は、一般には漢字説(「大股で歩くと危険」)が有名ですが、昔から現在の漢字で表記していたわけではなく、それは俗説です。
「ほき、ほけ」は断崖を意味する古語で、渓流に臨んだ断崖を意味するとされ、それが語源となっています。
そのまま川沿いを下って小歩危駅へ。
国道沿いの狭い駐車スペースにバイクを止めて、階段を上がります。
駅舎は崖の上。
土讃線の車窓からの眺めは素晴らしいことでしょう。
乗ってみたくなりました。
もう少し下ると吊り橋がありました。
赤川橋というそうです。
観光目的ではないので、万一の事故にも責任は負いませんという警告。
それでも眺めがよさそうなので、自己責任で渡ってみることにしました。
小歩危峡の眺め。
澄んだ碧い水の色が特徴的。
再び峠を超えて祖谷に戻ります。
今日泊まる宿から頂いた入浴無料券を使って命の洗濯。
宿からバイクで7,8分のところにある祖谷渓温泉ホテル秘境の湯の日帰り湯です。
明るて綺麗で広い館内は、「秘湯の湯」というにはあまりにも立派です。
泉質は炭酸水素塩泉。
今日も一日暑くて汗をかきましたので、早くさっぱりしたいところ。
阿波の青石を敷き詰めた大浴場は、一面ガラス張りで、原生林の生い茂る祖谷渓谷を見渡せます。
ジェット浴、気泡湯、寝湯などがあって、ゆったりできます。
公式HPから |
秘境・祖谷の大自然を堪能できます。
公式HPから |
宿に戻ってきました。
祖谷観光旅館といいますが、施設は民宿のような素朴な宿。
なんとも古い部屋ですが、窓からは祖谷渓谷の緑が見えるいい眺め。
食事は一階の食堂で。
意外と混んでいました。
お料理はテーブルに用意されていました。
食前酒。
あめごの煮物も出てきました。
これで勢揃い。
缶ビールは持ち込んで、冷蔵庫に入れさせてもらっていたもの。
「うちの料理はボリュームはあってもお腹には優しいですよ」
と女将さん。
確かに山のものばかりで、肉や海のものはありません。
蒟蒻の刺身。
岩豆腐。
しっかりと固い。
山菜や畑の恵みを使った品々。
そば寿司。
祖谷蕎麦が入ったいなりずしです。
あめごは味噌煮。
岩豆腐や椎茸、玉ねぎなどと一緒に煮てあります。
なんとも素朴な山村料理です。
お酒は、やはり持込の缶チューハイに切り替え。
「そろそろご飯をお願いします」
と厨房にいる女将さんに声をかけます。
「お蕎麦もお出ししますね」
と女将さん。
「そばは自家製ですよ。私が打ったんです。ここらあたりでは、みんな自分の家で打つんです」
ちょっと甘いな、と思う出汁もなぜか許せる女将のキャラクター。
締めのご飯はとろろで。
「すいません、生卵あったら貰ってもいいですか」
なんとも厚かましい客に、嫌な顔一つせず冷蔵庫から一つ出してくれる女将。
生卵を割ります。
やりたかったのはこういうこと。
何とも身勝手な客の注文に応えてくれる女将さん。
田舎宿の良さを実感します。
一気に啜りました。
「すいません、洗濯したいんですけど洗濯機借りれますか?」
「うちはお貸しする洗濯機は無いんですけど、私が洗ってお部屋までお持ちしますよ」
申し訳ないとは思いながらも、バイクウェアは洗いたかったので、女将のお言葉に甘えることにしました。
足がお悪いのに、22時頃に洗い終わった洗濯物を持って私の部屋までお持ち下さいました。
部屋のハンガーにバイクウェアを干しながら、本当に良い旅館とは何なのかと改めて考えさせられました。
【本日の走行距離】143.4km
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祖谷観光旅館 (旅館 / 三好市その他)
夜総合点★★★☆☆ 3.1
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