その前にもう一か所観光していこうと思い、高岡にハンドルを向けました。
最初に訪れたのは、奈良、鎌倉と並ぶ日本三大仏に数えられる高岡大仏。
はじまりはおよそ800年前、承久の乱をさけて越中に入道した源義勝が木造大仏を造営したことだといわれています。
その後何度も荒廃や焼失といった危機にあいましたが、人々の願いによ り再建を繰り返し今の形となっています。
ボランティアの説明員の方のお話しによれば、見る角度によって大仏は表情を変えるのだとか。
特に真下からみると
「全てお見通し」
という表情に見えるらしいです。
果たして私も全て見通されたのでしょうか。
富山県内唯一の大正時代の本格的な洋風建築です。
1914年高岡共立銀行本店として建てられたものであり、現在も富山銀行本店として使用されています。
清水組の田辺淳吉が設計し、東京駅など近代洋風建築で有名な辰野金吾が監修したものです。
鉄骨レンガ造りの2階建てで、外壁は赤レンガ、屋根の尖塔は緑青の銅板葺きです。
柱の基礎部分や窓回りは花こう岩製で、正面の入口はわずかにふくらんだエンタシスの石の柱、その上には三角破風、窓の装飾はルネサンス風となっています。
県内に現存する唯一のレンガ建築として市民からは「赤レンガの銀行」と呼ばれ親しまれています。
本店が富山市ではなく、高岡市というのが不思議な気がしました。
それだけ歴史のある街だということでしょう。
次に訪れたのは、国宝高岡山瑞龍寺。
まず総門(1928(昭和3)年旧国宝指定、重要文化財)をくぐります。
元来門というものは、その家の風格を表現するもので、江戸時代幕府は、石高によってその規模構造を規制した程ですが、この門を一見すれば前田藩不動の勢力を窺い知ることができます。
瑞龍寺は加賀藩百二十万石の財力を如実に示す江戸初期の典型的な建造物で、高岡の開祖前田利長の菩提寺、曹洞宗の名刹です。
3代藩主前田利常の建立で、1997年に山門、仏殿、法堂が建造物として国宝に指定されています。
また総門、禅堂、大庫裏、大茶堂、回廊三棟が重要文化財として指定されており、江戸初期の禅宗寺院建築として高く評価されています。
山門 (1997(平成9)年国宝指定)。
1645(正保2)年に建立され、万治年間場所を替えて建直されます。
1746(延享3)年火災で消失、現在の建物は1820(文政3)年に竣工しました。
和算により設計され、軒の出が深く禅宗寺院山門の雄と言えます。
山門をくぐると、そこに広がる壮大な伽藍配置様式の、豪壮にして雅な美しさに圧倒されます。
仏殿 (1997(平成9)年国宝指定)。
棟札によって1659(万治二)年に建立されたことが明らかとなっています。
伽藍の中央に位置し、基壇上に雄然と立つ姿は荘厳。
一歩堂内に入れば、並列する柱が目につきます。
更に天井には優雅な曲線をもつエビ虹梁など、複雑で妙を得た架構法はここならではで、さすが国宝の感。
またこれらの用材はすべて欅の良質材で、床一面の戸室石の四半敷きをはじめ、須弥壇や木階等の精巧な細工に驚嘆します。
天蓋もハスの繊維と絹をもって織られたものと伝えられ、共に注目に値するものです。
仏像は、三百有余年前中国から渡来されたもので、釈迦・文殊・普賢の所謂三尊が安置されています。
法堂(1997(平成9)年国宝指定)。
明暦年門(1655~1657)竣工の、186坪の堂。
境内第一の大建築で仏殿と異り総檜造りです。
構造は方丈の形式に書院造りを加味したもので、六室より成っています。
中央奥の室が所謂内陣で仏壇と大間を板間とする他はすべて畳敷きの間となっています。
中央二室の格天井に描かれた草花は狩野安信の筆になるもので、また内陣の襖およぴ壁は、共に金箔押の高価なものです。
欄間の彫刻は独創性に富み、江戸初期の技法を充分に表現した優秀な作の一つです。
全体的に大柄な造り方で、前面の広い板廊下と、その前方の土間の構造等、実に雄大です。
回廊(1982(昭和57)年重要文化財指定)。
大伽藍をとり囲み、左右対象をなす回廊が残っている寺院は極めて少なく、禅宗寺院最古のものです。
周囲約三百メートルに及ぷ回廊は、板戸の黒と障子の白が交互に規則正しく配され、上部に小壁の白い線が通り、上下を腰板とこけら屋根の黒でひきしめています。
シンプルで、統一された美しさ。
僧堂(1982(昭和57)年重要文化財指定)。
坐禅修行をする建物で、坐禅だけを行う場合は禅堂、食事等の修行をも合せ行う場合を僧堂と言います。
この建物は当初のものは1746(延享3年)に焼失、その後ただちに再建されました。
幕末に三分の一に縮小され、明王様の御祈祷場となっていましたが、僧堂として貴重な存在とわかり、1990(平成2)年、延享三年後の再建の姿に復元されました。
坐禅をする場所を単、法服寝具を納める棚(函櫃、カンキ)、脚がしぴれた折に坐禅のあい間に歩く廊下(経行廊、キンヒンロウ)、洗面、足洗い、食事の用意をする後架(ゴカ)等が備わり古式の僧堂の姿をよく整えた貴重なものです。
大庫裏。
調理配膳や寺務運営を行う堂で、山門を入り右手に位置し僧堂と相対して並びます。
建物は桁行十間(19.7m)・梁間六間(13.9m)で、外観は僧堂と同じ切妻造りこけら葺で向拝型玄開を付けています。
平面は前面一間通りを回廊延長の土廊とし、右手は竈や流し・調理台を置く炊事土間で、左手は寺務運営を司る畳敷きの大広間と板の間としています。
三十センチ角の太く力強い柱と防火対策を考慮した大変珍しい真っ白な土天井がひときわ目を引きます。
万治年間(1658~1660年)の建立ですが、幕末から明治初年にかけ撤去されました。
しかし1988(昭和63年)の解体修理に伴う調査で、詳細な寸法の書き込まれた古図面や向拝と主屋の部材の発見、および発掘調査などから当初の姿が明らかとなり復元されました。
これだけ国宝が並ぶ大伽藍はなかなかありません。
実にいいものを見ました。
ついつい見入ってしまい、またスケジュールが押してしまいました。
石川県白山の山懐にある秘湯、中宮温泉が今宵の宿です。
高速を飛ばして、向かいます。
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