最初のポイントは旧福浦灯台。
道は行き止まりになっていますが、バイクなら行けそうな気もします。
近くにいた地元の方に聞いたところ
「バイクなら行けなくはないけど、やめた方がいいかな」
とのこと。
アドバイスに従い、ここにバイクを止めて歩くことにしました。
先ほどまでの千里浜とうって変わって、険しい岩場が続いています。
このあたりから能登金剛の始まりです。
旧福浦灯台への入り口がありました。
確かにこの道は、バイクでも無理そうです。
バイクを止めたところから、徒歩で10分弱。
灯台が見えました。
1608年(慶長13年)に日野長兵衛が夜に航行する舟の安全のために篝火を焚いたのが始まりとされます。
元禄年間に灯明堂が建てられ、日野家が代々灯明役として守ったといいます。
現在の灯台は1876年(明治9年)に日野吉三郎が建造したもので、日本最古の西洋式木造灯台です。
1910年(明治43年)に福浦村営の灯台となり、現在の福浦灯台が設置される1952年(昭和27年)まで使用されました。
1965年(昭和40年)、日本最古の西洋式の木造灯台としての価値を認められ、石川県指定史跡に指定されました。
高さは約5mで、内部は3層になっています。
灯台の手入れをしていた集落の男性に話しかけれれて、立ち話。
「ここは車が入ってこれないのに、集落があるんですね。生活が大変ですよね」
「この先の神社までしか車は入ってこれないから、みんな歩きなんですよ」
こんな断崖絶壁のすぐそばまで家がありますが、今の時代に車なしとは大変です。
「なんで、こんな所に住んでるのかわからんけどね。空はどんより曇って、風はきついし、雪は積もるし」
と言って笑います。
今日は、暑いくらいのいい天気。
この集落で何百年と代々暮らしてきたのでしょう。
「わざわざこんな所に訪ねてきてくれてありがとう」
「いえ、とても素敵でした。こちらこそお話ありがとうございました」
「気をつけて」
旅先で地元の人とお話ができるのは、ツーリングの楽しみのひとつです。
その旧福浦灯台から10分足らずで能登金剛屈指の景勝地、巌門(がんもん)です。
松本清張の小説「ゼロの焦点」で有名になった能登金剛の断崖絶壁。
「雲たれてひとりたけれる荒波を恋しと思えり能登の初旅」
松本清張作「ゼロの焦点」の小説の影響を受けて、能登金剛に身を投じた女性を哀悼するため、1961(昭和36)年7月に建てられました。
悲劇のヒロインを想いここを訪れるファンも多く、そんなヒロインの運命を悲しく謳っている松本清張の歌碑が、ここ巌門にあります。
眼下には遊覧船の船着場が見えます。
遊歩道をつたって下りて行くことにします。
険しい断崖と荒々しい波は、能登金剛を最も象徴する光景です。
中でも巌門は代表的。
浸食によってぽっかりとあいた洞門は、幅6メートル、高さ15メートル、奥行き60メートル。
その向こうには日本海が広がり、岬の頂には老松が茂っています。
洞門の脇には通路があり、向こう側に抜けられるようになっています。
急な階段を抜けると、目の前に、美しい風景が広がっていました。
ここからは、海岸沿いの道を走りながら、名勝を巡ります。
伊勢の二見岩によく似ている事から「能登二見」とも呼ばれていている機具岩(はたごいわ)。
能登屈指の夕日のスポットとしても知られています。
16mと12mの高さの二つの岩が寄り添い、太い注連縄で結ばれている夫婦岩です。
ただ、伊勢の二見岩は、高さ9mの方が男岩、高さ4メートルの方が女岩に対して、能登の機具岩は高さ16mの方が女岩、高さ12mの方が男岩なのです。
延長4キロの白砂青松の浜辺で、和歌山県の和歌浦、神奈川県の由比ヶ浜と並び、日本小貝3名所の1つといわれています。
海岸には、かつてギネスブックにも掲載されたことがある、全長約460メートルの世界一長いベンチがあります。
石川県道49号線に沿って北上します。
小さな漁村をいくつか走り抜けると、その先に、巌門と並ぶ能登金剛のもう一つのハイライトに着きます。
バイクを駐車場に止めて、崖の上の道を歩きます。
1185(寿永4)年、兄頼朝の厳しい追手から逃れる義経と弁慶らが、奥州へ下る途中、おりからの荒波を避けるため、入江に船を隠したと伝えられている岩場。
細く奥に長い入江で、沖から見えにくく、48隻も船を隠したといわれています。
もっと下に下りると、少し北にあるヤセの断崖がよく見えるそうですが、それはかなり危険。
再び駐車場に戻って、今度はヤセの断崖へ。
松本清張の名作「ゼロの焦点」の舞台となった断崖絶壁です。
1961(昭和36)年、2009(平成21)年、二度にわたって公開された映画の撮影地で、能登金剛の中でも人気のスポットです。
その昔、周辺の土地がやせていたことや、断崖に立つと身が「やせる」思いがすることから、「ヤセ」の名がついたと言われています。
高さ35メートルの崖から一望する日本海は、一見の価値があります。
北には関野鼻。
南には先程の弁慶の船隠し。
今回の旅の大きな目的の1つ、能登金剛と松本清張の世界を堪能しました。
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