彼の部署のO女史と二人で行きませんか、と言います。
「お気持ちはありがたいのですが、もう1月は完売で、12月も24日と25日しか空いていないんですよ」
クリスマスイブとクリスマスに飲み会をセッティングするのは無粋と承知しつつもそうお返事すると
「大丈夫です。24日でお願いします」
と返事が来ました。
決算締めで残業になっているO女史は後から合流するということで、H次長と会社のロビーで待ち合わせて福島に向かいます。
「今日のお店はどこですか?」
まだお店を聞いていない私はH次長に訪ねます。
「心っていう店なんですよ」
と聞いて、急に思い出しました。
そこは、やはり私が思った通り、福島の路地の突き当りにある民家を改造したお店でした。
ランチの出し巻が美味しいと聞いて、半年ほど前に食べに来たことがあるのです。
入り口には日本酒の空瓶が並んでいます。
日本酒にこだわりのあるお店なのだろうと、当たりをつけていたので、今日は楽しみです。
このお店は玄関で靴を脱いで上がります。
玄関脇の個室に案内されました。
居心地のいいスペース。
セッティングは趣きのある器と布の箸袋。
いい雰囲気です。
壁に目をやれば、気になる銘柄が。
まずはH次長と二人、生ビールで乾杯です。
今日のお料理はおまかせ。
突き出しは、なんと出し巻でした。
たっぷりの出汁に浸った出し巻。
いきなりの好物にテンションが上がります。
お造りの盛り合わせ。
美味しそうなところが少しずつ。
遅れてくるOさんのために、二切れづつという気配りです。
ビールの後は日本酒。
超辛口の鷹有にしました。
鳥取の酒。
これは魚と合います。
酒が進みそう。
そこへ、ようやく残業を終えたOさんが合流です。
「お疲れ様でした!」
キンメのちり。
これはプレゼンも含めて、面白い料理です。
焼き物の盛り合わせが出てきました。
うなぎ白焼き。
アブラボウズ西京焼き。
茄子味噌田楽。
鯖棒寿司。
日本酒は京都のやどりぎに。
キリッと冷えた日本酒を舐めながら、焼き物を摘みます。
4年前に私が着任した時からの付き合いなので、部署が違っても話題は尽きません。
日本酒はたちまち無くなり、今度は焼酎に切り替えます。
宮崎の芋焼酎喜六。
大好物のカキフライが出てきました。
エビイモフライとの盛り合わせです。
締めはじゃこごはんか卵かけご飯のチョイス。
もちろん私は大好物の卵かけご飯。
濃厚な黄身の色。
大満足の締め。
クリスマスイブにもかかわらずお付き合い頂き、楽しい送別の宴を開催してくれたH次長とOさんに心から感謝。
店を出て、 クリスマスとは思えない暖かい大阪の町を、新福島駅まで一緒に歩きました。
大阪天満宮駅で下りて、いつもとは違う出口から地上に出ました。
ご挨拶がまだ出来ていないお店があるからです。
天満の滝川公園のそば。
看板も何も出ていないお店です。
ダイニングバー先杯(せんぱい)。
クリスマスイブですが、私同様お一人様が数組。
生ビールでリスタート。
すっかりご無沙汰してしまったマスターに転勤のご挨拶。
「そ〜なんですか?へぇ〜、残念やなぁ」
と、いつものようにまったりとした反応。
「そうなんです、2月1日付で。お世話になりました」
ダッフィーのような癒し系のマスターと話していると、本当に癒されます。
こんなにまったり出来るバーもなかなかありません。
味わいのあるコースター。
何か食べようかな、とメニューをひと通り眺めましたが、お腹がいっぱいなので見送りました。
ご主人と反対に、チャキチャキした奥さんの作るお料理は実に美味しいのです。
獺祭のスパークリングをごちそうになりました。
今日は送別会だったので、クリスマス気分でも無かったのですが、このお酒を飲んでいるとちょっとそんな気分になります。
マスターと乾杯。
メリークリスマス!
アテも頂いて。
この店は日本酒の揃えが良いのですが、今日はちょっとそれは飲み過ぎ。
ボードに余市を見つけました。
楽しかった小樽・余市の旅を思い出したくて、ロックを頂きました。
今日は一軒目でかなり飲んだせいか、それとも連夜の飲み会で疲れが溜っているのか、睡魔が襲ってきました。
マスターにお世話になった謝辞を述べると
「出張あるんですか?また顔出してくださいね」
とみかんをお土産に渡してくれました。
ビニール袋に入ったみかんをぶら下げて、私はゆるゆると家に戻りました。
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