京橋は飲食店だけでなく、風俗店も多い街。
そんな京橋を、スイスイと歩くYちゃんは大したもの。
「私のブログは40代の男性が好んで読むらしいですよ」
と笑います。
屈託のない彼女の笑顔はもちろん可愛いのですが、思考も嗜好もオッサンのノリ、ということなのでしょうか。
京橋のランドマーク、一大レジャーランドビルグランシャトー。
そのグランシャトーの斜向かいにあるサンピアザビル。
京橋らしい飲食と風俗が同居するビル。
東京だと、歌舞伎町か池袋北口のイメージが近いかもしれませんが、やっぱり京橋は京橋。
大阪でも独特のディープさを誇る町です。
この猥雑な雑居ビルの一階にあるのが明けごころ本店 洋食店。
京橋に何店舗かを構える居酒屋の洋食部門。
知らなければ、まず入らない、というかとても入りにくい店。
しかし店外のメニューは魅力的です。
ここは立ち飲みの洋食店。
当然カウンターだけの店。
「ここはメッチャ美味しんですよ」
とYちゃん。
「予約取らへんから、タイミングなんですわ」
Yちゃんがこれだけ推すなら間違いないでしょう。
メニューはどれも食欲をそそるものばかり。
洋食好きの私としては、甲乙付けがたいラインナップ。
チリのシャルドネをオーダー。
早くも本日何度目かわからない乾杯です。
酒飲みで食いしん坊の面々ですから、一気にオーダー。
名物の玉ねぎオーブン焼き。
ホクホクの甘い玉ねぎは、もちろん淡路産。
マストアイテムの自家製ハンバーグ。
ドミグラスソースと合うはずです。
ハンバーグの断面をチェック。
肉汁が溢れ出てきます。
甘口超辛という謳い文句が気になります。
「カレーは飲み物」とカレー好きの間ではよく言われますが、私にとって「カレーはアテ」。
確かに浪速流の甘辛ですが、ランチで食べたインデアンカレーの数段辛いです。
こんなに酒に合うカレーも珍しい。
やはり立ち飲み屋でもあるだけに、そうした味付けにしているのでしょう。
ワインからハイボールに切り替えました。
牡蠣好きの私がずっと気になっていたのが日生の牡蠣を使った料理のメニュー。
実は皆も気になっていたようです。
カキグラタン。
こんなに大きな牡蠣が。
シーズン後半が一番大きくなって美味しいといいますが、まさにその通り。
誰かがエビフライを頼みました。
カウンター越しに手際よく料理を作るマスターは、明るく陽気でトークも楽しい、いかにも浪速っ子。
このタルタルソースがヤバ過ぎます。
衣が固めでカリッとしています。
その歯ごたえと、中のエビのプリッとした食感のバランスが良く、しかもタルタルが旨すぎ。
続いて出てきたのはカキフライ。
一同歓声を上げます。
もちろんこれにもふんだんにタルタルが。
日生産の大物。
12月に行った日生が懐かしい。
これまたガリっと系の厚固衣。
中の牡蠣の柔らかさとのコントラストが絶妙です。
「俺、メッチャ日生の牡蠣の宣伝してんねん。出身ちゃうけどな。日生から表彰状もうてもええぐらいやで」
とマスターのトークも冴えています。
私たちがたまご談義をしていると、それを聞いたマスターが
「オムレツ作ったろか?俺、割と得意やで〜」
と割り込んできました。
手際よく各種調味料で味を整え、牛乳も加えて卵を溶きます。
もちろん全て目分量。
フライパンに流し込み、半熟状態で、トントンとフライパンの柄を叩きながら形を整えて出来上がり。
素晴らしいオムレツができました。
生野菜がいっぱい添えられるので、野菜不足の私にはありがたい。
ドミグラスソースをたっぷりかけて完成です。
表面のキメの細かさが何とも美人。
さっそく断面を確認します。
何とも美味しく幸せなフィナーレでした。
明ごころ本店 洋食店 (洋食 / 京橋駅、大阪ビジネスパーク駅、大阪城北詰駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.5
調子が出てきたYちゃんは、更に我々を京橋の奥へ奥へと連れて行きます。
彼女が我々を連れてきたのは、ホルモン焼きの店。
しかし、残念ながら今日は店仕舞い。
それにしても、こんな店まで顔になっている彼女の行動力には驚くばかり。
「残念だったねぇ。じゃあ、そろそろホワイトラベルへ行こうか」
と誘う私に、Yちゃんは
「ちょっと待って下さい。まだ私の京橋の十分の一も紹介してないんです!」
と言います。
もうお腹はいっぱいですし、私は昨夜のホワイトラベルの送別会の疲れもあるのですが、私とのお別れ飲み会を演出しようとする彼女の気持ちに感謝して従うことにしました。
向かったのは路地の奥。
と言うYちゃん。
素敵な初老のご夫婦が営む小さなお店。
L字カウンターには10人も座れません。
カウンターの上にはおばんざいの大皿。
お献立、という言い方がなんとも素敵。
そういえば、看板には「家庭料理」と書いてありました。
お酒の種類も多くはありませんが、これで必要十分なのでしょう。
私は泡盛のロックにしました。
ご主人も交えて乾杯。
見繕いの突き出し。
とても美味しそうですが、もう満腹です。
確かにその通り。
とYちゃんやみずちゃんが言います。
とても食べられないのですが、みんなが食べるなら、と一個注文。
たまごの焼き加減は絶妙です。
中はひき肉とマカロニ。
お腹が空いていたら、さぞ美味しかっただろうと残念でなりません。
お店のテレビはスマスマの緊急謝罪生放送。
他のご常連ともども、皆テレビに釘付けになりますが、消化不良のまま終了。
私の胃袋も消化不良ですが、どうしても仕上げなければいけません。
タクシー二台に分乗して南森町へ。
もちろん向かったのはホワイトラベル。
またまた乾杯。
いつものハイボールです。
もう何回乾杯したのか、何杯飲んだのかも覚えていません。
そして名物タマゴサンド。
仕上げの楽しさは、反省会。
今日がいかに楽しく美味しかったか、をお互いに振り返って語り合うのが飲み友達ならでは。
皆は「今度はどこに行こう」と楽しそうですが、私に「今度」はありません。
こうやって彼らとタマゴサンドを食べることも、もう無いのです。
0時を回りました。
店内でも、店の前でも記念写真を撮ってお別れのご挨拶。
私は、カウンターに戻って、一人で本当の「仕上げ」をします。
この一ヶ月はいつもこのパターン。
かなり疲れている肝臓や胃腸を労るために、珍しくチェイサーも貰い、飲み忘れたノ・ミカタを今頃飲みます。
遅くにいらしたご常連さんと乾杯。
今日はまだ月曜日。
私の大阪ラストウィークは始まったばかりです。
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