新橋煉瓦通りに面した中華料理四季煲坊(しきぼうぼう)は、香港料理の店。
何とも中国っぽい華美な外装と、難読漢字の店名。
本場感たっぷりのこの店は、大久保佳代子似のママが仕切っていることでも知られています。
というか、それをウリにしているフシさえ感じられます。
ドアを開けると
「イラッシャイマセ~」
とそのママに迎えられました。
「カウンタースグアクカラ、メニューミテマッテテ」
と渡されたメニューは、全て外税。
麻婆豆腐か辣子鶏丁か悩みましたが、玉子入りサービスという文字に惹かれて牛バラと五目野菜の土鍋ご飯にしました。
カウンター席の一番手前、厨房との通路の席に案内されました。
キムチと中華スープが運ばれてきます。
中華料理でなぜキムチなのかは不明。
お茶はビールジョッキ。
昼夜兼用の食器です。
独特の装飾、多数のメニュー、一円単位の表示、飛び交う中国語。
ここが新橋であることを一瞬忘れるカオスな雰囲気です。
土鍋なので少し時間がかかります。
それでもなかなか出てこないな、と思っていたら、ホール係の若いお姉さんが、私の横で何も言わずに杏仁豆腐を作り始め、それを私の前に置きました。
回りを見回すと、デザート付きは私だけ。
遅くなったお詫びなのか、厨房の出入り口でやかましいからなのか、理由は判然としませんが、お料理が出てこないうちにデザートの登場です。
注文してから12、3分。
ようやく牛バラと五目野菜の土鍋ご飯が到着です。
スープはもう冷めています。
まずは玉子を崩す恒例の儀式。
旨そうです。
更に全体をかき混ぜます。
土鍋ご飯はお焦げが旨いので、出来るだけ多くのご飯を土鍋に触れさせる必要があります。
もちろん撹拌することにより、全体に味が馴染むので、必須の行為。
火傷しないように慎重に。
牛バラ肉の旨味が引き立つ濃厚な味付けです。
これ位焦げているのが美味しい。
ここで、ザーサイが出てきました。
これもお詫びなのか、それともサービスなのか不明ですが、メニューを見ると「ザーサイ付き」と書いてあります。
そうだとすると、キムチがサービスなのか、誤りなのか、ということになりカオス度は増すばかり。
結構な量のご飯。
このあたりで苦しくなってきました。
土鍋は激しくひび割れています。
さながら亀甲占いのよう。
サービスなのか間違いなのかよくわかりませんが、私に供されたことだけは確かなので、杏仁豆腐を頂きます。
アツアツの土鍋ご飯は思いのほか時間がかかりました。
お腹も一杯です。
787円を支払い、表に出ると昨日までの寒さが嘘のような暖かい春の陽気。
「やっぱりこの店は侮れない」
と改めて思いました。
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