いつもはフードコートの松戸富田製麺か金子半之助で食べるのですが、今日は違うところで食べてみようと、地元で人気だというラーメン富士屋に来てみました。
住宅街にある簡易な作りのお店。
この店は房総地ラーメンの一つ、竹岡式ラーメンの人気店。
店内はカウンターとテーブル席、奥には座敷がありますが、ほぼ満席。
女性三人で切り盛りしていますが、厨房を仕切る女性が中心的な役割を果たしています。
娘であり、店主なのでしょうか。
明らかに地元の方ばかりといった感じで、竹岡式の超人気店梅乃家が遠方からの観光客が多いのに比べると期待が持てます。
かなり安い価格設定。
何にしようか、と思案していうるちに後から来た6人連れの地元のファミリーに注文を追い越されてしまいます。
どうやら、オーダーは先着順ではなく、先にオーダーした人が先に出てくるという仁義なき戦いのようなルール。
かといって、ホール係の年配の女性を捕まえても、丼の上げ下げが忙しく
「ちょっと待ってください」
といって取り合ってくれません。
結局一向に注文を取りに来てくれないので、厨房の女性に声をかけたところ、
「そこから言ってください!」
と言われました。
相当離れているのでオーダーが上手く通るか不安で、息子と二人で厨房まで出向いてオーダーしました。
厨房はいくつものアルマイトの鍋を、それぞれひと口コンロに置いて麺を茹でていました。
そこは漁師町の家庭料理である竹岡式らしい作り方を踏襲しています。
注文を先に越されたおかげで出てくるまで20分ほど待つことになりました。
ようやく出てきた妻のシナチクラーメン。
これはオーダーの仕方を間違えたらしく、シナチクしかのっていません。
チャーシューが名物の竹岡式ですから、シナチクラーメンにもチャーシューメンも何枚かのっていると思っていたのですが、そうではなかったようです。
ラーメンと同額の500円ということを考えればわかったかもしれませんが。
私が頼んだワンタンメン。
「ワンタン?ワンタンメン?」
と厨房の仕切りの厳しい女性に聞き返されたのは、メニューに両方あるからでした。
こちらが息子が頼んだチャーシューメン。
シナチクものっているし、これが一番お得なようです。
注文でガタつきましたが、ビジュアルはかなり旨そうです。
機嫌を直してラーメンを啜ることにします。
チャーシューには辛い汁がかかっているようです。
他のお客さんが
「辛めで」
という、メニューに無いオーダーを入れていたからです。
この店は乾麺ではありません。
細めの縮れ麺。
「固めで頼んでみようよ」
と提案してくれた息子のオーダーが承認されたのが奏功しました。
先日梅乃家に行ったときは、茹で過ぎで食べられたものでは無かっただけに、今日は美味しく食べられそうです。
ワンタンは小ぶりのもの。
3つしか入っていないと思っていたら、後で底から3つ出てきました。
このあたりのラフな盛り付けも、いかにも竹岡式らしい家庭的なもの。
チャーシューはバラ肉。
脂がたっぷりで柔らかく、美味。
味付けの加減もちょうどいい。
チャーシューの煮汁をそのまま茹で汁で薄めるという竹岡式ラーメンにしては、醤油辛さも控えめで、豚肉の旨味も感じられます。
これはなかなか旨い。
シナチクは細切り。
麺と一緒に啜ります。
中盤で卓上の一味を振ります。
竹岡式には胡椒よりも唐辛子が合うというのが持論。
すると
「にんにく下さい」
と叫ぶお客さんがいました。
そんなものもあったのです。
この店はメニューには無い様々な運用があるようです。
タマネギがたっぷり入っているのが多い竹岡式ですが、当店はそれほどではありません。
汁の飲み干しは、最近家族から厳しく注意を受けているので、ここでストップ。
エアコンの無い店は、窓から風が入ってきます。
今日は曇りだからましですが、晴れた日なら熱中症になりそうです。
なんだかんだと序盤はガタつきましたが、食べ終わってみれば満足。
仕切りの厳しい女性店員たちも、帰りには
「ありがとうございました!」
と気持ちよく見送ってくれました。
田舎流のツンデレホスピタリティなのでしょう。
ごちそうさまでした。
昼総合点★★★☆☆ 3.5
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