流れて来たのは久しぶりのゑびすや食堂。
いかにも大衆食堂然とした下町らしい佇まい。
すっかり色褪せた食品サンプル。
看板からは普通の下町食堂に見えますが、そうではありません。
玄関先にはホワイトボード。
アルコールと一品料理のラインナップが見て取れます。
暖簾を潜って店内へ。
この店のディープさを特徴づける一つが膨大な食品サンプル。
なぜ、こんなに、そして本当にこの通りの料理が出てくるのか、ないものはないのか、と初めて来たときは次から次へと謎が浮かんできましたが、今は何とも思わなくなった私は、この店にディープな常連たちの仲間入りをしてしまったのかもしれません。
L字カウンターの奥に腰掛けて、まずは酎ハイを注文。
ここはナカと炭酸とグラスが別々に出てくるスタイル。
自分で甲類焼酎をウィルキンソンの強炭酸で割って作るプロセスが楽しい。
準備が整いました。
酎ハイを舐めながら、メニューを眺めて組み立てを考えます。
ハムエッグが目に留まりました。
たまご好きの私としては、頼まないわけにはいきません。
もちろん醤油。
恒例「箸入れの儀」。
堪らない瞬間。
黄身の甘さを感じる絶妙な半熟加減。
寡黙で漂々とした店主の腕が光ります。
酎ハイをお代わり。
グラスにナミナミと入った焼酎が嬉しい。
ここに追加のウイルキンソンの強炭酸を注ぎます。
ハムカツが出てきました。
これも私のマストアイテム。
ソースをかけて。
厚めのハムが嬉しい。
いつの間にか三杯目。
どこに行っていたのか、奥さんが戻ってきました。
寡黙なご主人と対称的に妙にアグレッシブな奥さんが持って来てくれました。
お客さんは入れ替わりつつも次第に混んで来ました。
ディープな店よりも、もっとディープなのはお客さん。
聞くとは無しに会話を聞いていると、人生の悲哀や社会の矛盾を痛感します。
みんな、いろいろあるけど一生懸命生きているのです。もちろん私も。(笑)
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