今日は想定外に「カレーの店 ガン爺」が空いていてランチが早く終わったので、もう一軒懐かしいお店に立ち寄ることにしました。
「コーヒー&プリン」を看板に掲げる昭和レトロ喫茶「ヘッケルン」です。
第6波と第7波を挟んでほぼ10ヵ月ぶりの訪問。
入口のドアには「再会」「こころ」と書かれた貼り紙がありました。
マスターの心の変化が気になります。
ランチ前のアイドルタイム。
壁際のボックス席に座ってオーダーします。
メニューを見るまでもなく、名物の特製ジャンボプリンとコーヒーのセットと決まっています。
「はぁい、了解だぁ!!」
と大声でカウンターから返事が返ってきます。
マスターは7回のコロナの波を乗り越えて、相変わらず元気でひと安心。
ふと見ると、カウンターの奥にマスターの写真。
よく雑誌の取材などがあるので、その時のものでしょうか。
更に目を横に向けると、驚きの告知がありました。
「プリン、単品だめ!!」
と書かれています。
私はコーヒーとプリンのセットしか頼んだことがないのですが(その方が得なので)、プリンを単品で頼む人が結構いるということでしょうか。
365日、朝から晩までプリンを作り続けるマスターの心境に、なんらかの変化が起きたのでしょう。
その横の勘亭流風の「ヘッケルン」の文字も、よく見れば「ペッケルン」となっています。
その横の勘亭流風の「ヘッケルン」の文字も、よく見れば「ペッケルン」となっています。
プリンの単品が「ペケ」だという、マスターらしい茶目っ気でしょうか。
「寝ないでください」
や、ババロアの
「時価」
などにも通じるユーモアです。
こちらのメニューにも、特製ジャンボプリンの上に
「のみものと一緒だよ!」
と書かれています。
そしてテーブルの上にも
「タバコ3本まで」
と大きな貼り紙が。
壁には以前から貼り紙がありましたが、ルールを守らないお客さんがいるので業を煮やしたのでしょうか。そんな貼り紙の中で、異質な光を放つのが、吉永小百合の色紙。
いつ見ても、この店が只者ではないと感じます。
いつものようにお決まりの店内観察をしているうちに、私のプリンセットが出てきました。
マスター秘伝のレシピで作られた、昭和レトロ喫茶に相応しい堂々たるビジュアルのプリンです。
アイスコーヒーも一杯ずつ落としてくれるので、とても美味しい。
早速プリンにスプーンを入れます。
容易にスプーンを入れさせない、しっかりと固いプリンは、昭和の歴史を感じさせます。
令和の時代のキラキラスイーツとは対極的な、無骨ながらも芯のある洋菓子。
カチカチのプリンは、自分の幼少期には贅沢品だったお店のプリンを思い出して、懐かしく、そして嬉しくなります。
トロリと流れるカラメルもマスター秘伝のもの。
甘さと苦みがナイスバランスです。
ゆっくりと味わいながら、食べ進みます。
出社日も少ないので、そうそう食べには来られないからです。
もちろん残ったカラメルは、余さず掬いっとって完食完飲。
いくつになっても元気なマスター。
お会計を済ませると
「はぁい、ありがとぉ!!」
と、また元気な声が返ってきました。
私もマスターを見習って、しっかりと前を向いて元気に歩まなければと思いました。
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