懐かしの築地ランチシリーズ。
今日は若い頃、数え切れないくらい通った築地の小料理屋「魚竹」へ。
さすがにコロナ禍でお客さんが減ったと聞きましたが、11時半でこの行列なら往時以上かもしれません。
私の後ろにもたちまち5、6人が並びます。
我が社の社員食堂のようだった店は、すっかり客層が変わりましたが、今でもこの地域のサラリーマン、OLのプチ贅沢なランチスポットのようです。
何を食べても美味しいのですが、久しぶりなので、この店で一番好きな銀鮭照焼にします。
なかおちとセットにすることもよくありましたが、今日はおかずと組み合わせる計画です。
20分程並んで店内に案内されました。
古い厨房ですが、磨きがかかったステンレスにこの店の歴史と矜持を感じます。
入店順に注文を聞かれるので、じれったい気持ちを抑えてじっと待ちます。
「しゃけ、ご飯少な目、お浸しと玉子焼きをお願いします」
並んでいる間に何度も頭の中で復唱したので、スムーズにオーダーが口から出てきてホッとしました。
そう言えば、あの頃はご飯は「ややおも(やや大盛)」だったと思い出します。
鮭が焼き上がる頃合いを見計らって、ご飯、味噌汁、小鉢とお新香がセットされたお盆が出てきます。
年を取ってもイケメンの海鮮担当のお兄さんと焼台担当の弟さん、ホールを取り仕切るのはそれぞれの奥さんという家族経営だからこそ、この狭いお店でも息の合った連係プレーの接客が出来るのでしょう。
丼に半分ほどのご飯。
少な目といっても、普通のお茶碗の大盛はありそうです。
ちょこんと乗った小梅が可愛い。
築地で一番美味しいと思う味噌汁。
しかも嬉しいお代わり自由です。
小鉢はわかめとじゃこの酢の物。
漬物は白菜。
いろんな事が、いつ来ても変わらないのが嬉しい。
そこへ、メインの銀鮭照焼が出てきます。
厚みのある、美しい焼鮭。
おかずで頼んだ青菜のお浸しは、ブロッコリーとほうれん草。
魚竹ランチでわたしにとっては欠かせない玉子焼きが、最後に出てきました。
役者は出そろいました。
歌舞伎の顔見世のような豪華なランチです。
まずは味噌汁から。
具は豆腐と葱。
出汁と味噌のバランスが最高です。
築地一ではなく、中央区一と考えを改めなければなりません。
お浸しには醤油を垂らして。
焼鮭は、もちろんオン・ザ・ライス。
お新香も、連続オン・ザ・ライス。
玉子焼きはかつてお母さんが焼いていました。
今はお兄さんでしょうか。
甘辛い味付と、少し焦げた感じが実に美味しそう。
いや、もちろん美味しいのですが。
ご飯に比しておかずが多く、ライスは枯渇気味。
ライスコントロールの手腕が問われるランチです。
この辺りで味噌汁をお代わり。
二杯目はなめこ汁。
味噌汁好きには堪らない味噌汁の味変サービスです。
鮭は脂ののった腹の部分も食べ進みます。
ほぼなくなってしまったライスに玉子焼きと焼鮭を頼んでラスト・オン・ザ・ライス。
実に満足度の高いランチを頂きました。
お会計を済ませて狭い通路をカバンを抱えてカニ歩き。
「お久しぶりですよね、お変わりなく。何年ぶりじゃないですか?」
とお兄さんに声をかけられます。「そうなんです。また来ますね、ごちそうさま!」
とお礼を告げてお店を出ます。
2018年以来6年ぶりの訪問、その前は大阪転勤で5年、間が空いています。
客商売とはいえ、不義理な客をよく覚えていてくれました。
もうちょっと頻度を上げて来たいと思う、ノスタルジックなランチとなりました。
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