自分の記憶からすっかり消えていたお店です。
昨年の9月にNHK「ドキュメント72時間」で放送され、記憶に蘇りました。
枚方でも古い町並みが残る京街道沿いにある昭和のかき氷屋さん「枚方凍氷」。
私が生まれる前からあったらしいのですが、私が最後に行ったのは中学生くらい。
その頃から、ざっくり45年は経っているでしょう。
テレビで観て懐かしさを覚え、今回の帰省で食べに行ってみることにしたのです。
一方通行の入り組んだ狭い道沿いのコインパーキングに車を止めて歩きます。
もちろん記憶は曖昧ですから、Googleマップが頼り。
すると、目の前に、私の記憶とも、テレビの映像とも違う、洒落たカフェのようなお店が現れました。
なんとすっかり改装されていたのです。
もしかして、テレビで人気が出てコンセプトを変えた、ということでしょうか。
とにかく、私は混乱しています。
昭和ノスタルジーの塊のような私ですから、この変貌ぶりには面喰いました。
そもそも昔の店の記憶も曖昧なのですが、まずは冷静に現実を受け止めなければなりません。
多くの胡蝶蘭が飾られているところからみて、つい最近リニューアルオープンしたと思われます。
気持ちを落ち着けて、カウンターでメニューからかき氷を注文します。
お店の方に伺うと、ゴールデンウィーク直前の4月27日にリニューアルオープンしたそうです。
ということは、まだひと月も経っていないことになります。
昔はイチゴやみぞれを食べていた記憶がありますが、こんなに種類は無かったはず。
豊富なラインナップから目に留まったマンゴーをオーダーします。
練乳ダブルトッピングで。
新築の匂いがします。
なんだかすっかり違うお店になって、居心地が悪い私です。
程なくかき氷が運ばれて来ました。
マンゴー練乳ダブルトッピング。
なんだかんだ言っても、目の前に美味しそうなかき氷が出て来ると、テンションが上がります。
私はかき氷が大好きなのです。
スプーンをかき氷の山の中腹に突き刺し、グッとリフトします。
繊細なかき氷は、どこから食べても崩れてしまいます。
その被害を最小限に食い止める方法を常に模索し続けるのが「かき氷道」とも言えます。
あいにく今日は曇りがち。
もっとドピーカンなら良かったな、と思いながらも甘いマンゴーと濃厚な練乳のコラボに舌鼓。
食べ進むにつれて、身体がキンキンになってきます。
器の底には溶けかけたかき氷とマンゴーシロップ、練乳が残って、味が濃厚になっていきます。
このフィナーレこそが、かき氷の真骨頂。
完食、そして当たり前ですが完飲です。
想定外のリニューアルオープンという事態に、いささか混乱しましたが、なんとか現実を受け入れました。
いつまでも変わらないことに美を求める私ですが、それはもう古い考えなのでしょう。
若者たちが楽しそうに、美味しそうにかき氷を食べているのを見ると、これが令和スタイルなのだ、と自分を納得させました。
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