「是非、今度飲みに行きましょうよ」
とお誘い。
「いいよ」
「じゃあ、O次長も誘いますから、是非」
「え、Oを誘うの!?」
O次長とは支社屈指の酒癖の悪い宵っ張りの後輩。
しかも絡み酒なのです。
「いや、O抜きでやろうよ」
と話したのですが、年が明けてお誘いのメールがO次長から。
「お疲れ様です。支社屈指の酒癖の悪いOです。N部長と一緒に是非」
覚悟を決めた私は段取りを全て彼らに任せ、今日を迎えました。
O次長、N部長、そして私の同僚のM部長。
M部長は大阪転勤直後にO次長に深夜の新地を引きずりまわされた苦い思い出があります。
向かったのは京橋。
環状線沿線でもトップクラスのディープな歓楽街。
JR京橋駅からガールズバーのお姉ちゃんたちの客引きをすり抜けて、風俗街の奥へと進みます。
すると路地裏に現れたのが中華料理金国。
ありがたいことに、B級グルメの私に配慮しての選定。
この店はN部長が10年来通う店だそうですが、私がこの店に来ているかどうかはO次長が私のブログを検索して確認済み。
営業らしい心憎い配慮。
店内は小さなコの字カウンターとテーブル席。
「絶対美味しいB級オーラ」が出ています。
しかもママさんはとても美人。
まずは生ビールで乾杯!
プリン体に配慮するO次長だけはハイボールで。
突出しはたっぷりラー油のかかった冷奴。
まずは前菜から。
ピータン。
蒸し鶏。
一皿のポーションは少な目ですが、その分安いので小人数でも都合良さそう。
ザーサイはアテにぴったりの塩加減。
炒め物などを頼みます。
チンゲン菜といかの炒め物。
麻婆豆腐。
ママさんが
「辛いですよ、ダイジョウブ?」
と聞いて来ますが、望むところ。
山椒の効いたピリッとした味にビールも進みます。
名物の上海小龍包は4つにしてもらいました。
ジューシーな肉汁が堪りません。
私がいちいち写真を撮るので、ママさんも心得て私の前に置いてくれるようになりました。
にんにくとナスの炒め物。
とても優しい味わい。
エビのチリソース炒め。
私もハイボールに切り替えました。
O次長のことですから二軒目は覚悟の上。
ならば紹興酒の出番は遅めにしようというプランニングです。
上司にあたるO次長もN部長と飲むのは二回目らしく、N部長の来歴を中心にトークは盛り上がります。
少年時代から海外でのホームステイ一人暮らしの彼の話は、とても面白く、趣味の飛行機操縦の話に至っては、一同興味津津です。
そして行き着く先は、いつもの支社の昔話。
私もこの二年で随分事情通になりました。
ピーナッツと鶏肉の四川風炒め。
全体的にピリ辛度合いも強くなく、マイルドで優しい味の料理が多い気がします。
いよいよ禁断の紹興酒に着手。
優しいママさんが甘く絡めたクルミをサービスでつけてくれました。
「紹興酒に合いますから」
「メシモンかメンモンで〆ましょうか?」
というN部長の提案。
壁に貼ってある今月のおすすめからおこげの三鮮あんかけを頼みました。
奥の厨房からご主人が出てきておこげにあんをかけます。
このジュッという音がなんとも言えない食欲をそそります。
カリカリしたおこげがあんに絡まってふやけていく食感の変化こそがこの料理の醍醐味。
笑顔の素敵な美人のママさんにお話を伺いました。
14年前にこの地に開業。
一大歓楽街京橋の変化をこの路地裏から見つめて来たのでしょう。
旧正月で今週から上海に一時帰国するそうです。
ごちそうさまでした。
撮影・掲載許可済み |
もちろんもう一軒。
特に当てはないというので、私のホームグラウンドにお連れする事にしました。
客引きのお兄さん、お姉さんたちを軽口でかわしながら国道1号線へ。
タクシーを拾って南森町へ向かいます。
私の止まり木、バーホワイトラベルへ。
先週は珍しく来なかったので、2週間ぶり。
21時過ぎにチェックイン。
ここからはO次長の独壇場、絡み酒の本領発揮です。
時々部下のN部長に諌められながらも、舌鋒鋭くあらゆるものに批判の嵐。
その矛先は私にも向いて来ますが、そこは私も慣れたものなので、適当にいなします。
O次長は真面目な仕事人間なので、その熱意が溢れるあまりの酒癖の悪さ。
「今から新地に歌いに行きましょうよ」
と絡むO次長のケアは部下のN部長に任せ、0時を潮時にお開きとしました。
5時間半、激しく気力と体力を消耗した飲み会でした。
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