飲み友だちのAちゃんから
「十三で行きたいお店があるので付き合ってくれませんか?」
というリクエストに応えて十三駅東口で待ち合わせ。
十三駅は火災のあった西口は閉鎖中。
十三トリスのマスターが先頭に立って募金活動を行っています。
私は前回十三に来た時に署名、募金をしました。
火災現場の囲いが設けられ、中の様子を伺う事はできなくなりました。
一軒目は彼女の好きな立ち飲み家 きんぎょ。
あいにくの雨。
10人も入れない小さな店。
マスターの手料理は何を頼んでも美味しい。
まずは乾杯。
私の好きな卵料理から一品。
しらすの出し巻。
しらすの塩味が効いています。
アテにぴったり。
Aちゃんが頼んだ平目とわらびの酒蒸し。
わらびとさやえんどうをかき分けると、こんな感じで平目が現れます。
名物のこぼれスパークリング。
日本酒のように升にこぼして注いでくれます。
泡好きの彼女のお気に入り。
二杯飲んでウォームアップ完了です。
立ち飲み家 きんぎょを出て国道176号線の陸橋をくぐってすぐの所に、今日の十三ハシゴの目的地があります。
てんぷらはせ川。
火災で焼失した西口小便横丁よりは一本表通りにあたります。
幸い類焼を逃れました。
味わい深い昭和レトロな店。
L字カウンターは10人ほどでいっぱいでしょうか。
鍋の油をじっと見つめる寡黙なご主人と奥さんの明るい接客が対照的。
私の鞄をハンガーにかけようとする奥さんに
「重たいからいいですよ」
と声をかけると
「大丈夫、大丈夫。力だけはあんねん」
とニコニコして答えてくれます。
初めて来た私も、常連気分。
この店の基本は揚げたてコース。
10品で1,200円。
河岸を変えれば再び生ビール。
天つゆと塩とレモンが出て来ます。
スタートは穴子から。
天つゆに浸けていただきます。
イカは塩で。
キスはレモンも絞ってみました。
貝柱。
エビ。
これは天つゆで。
酎ハイレモンにチェンジ。
アスパラとナス。
しいたけとレンコン。
ししとうで〆。
黙々と職人気質で天ぷらを揚げるご主人。
細々と気を使いながら、浪速らしい冗談を交えた話術で楽しませてくれる奥さん。
十三の小さな店で出会った素敵な昭和の老夫婦。
これで1,200円です。
ごちそうさまでした。
西口小便横丁は類焼を逃れた北側は一部営業しています。
少し覗いてみました。
火災のあった所はフェンスで立ち入り禁止になっていますが、思い出の写真が貼られ、復興への熱い思いが伝わります。
十三から阪急電車で梅田に戻りました。
バー好きのAちゃんに前々から紹介したかった昭和の大人バー。
OSMビルの2階にあるサントリーバーおくだ。
同期の飲み友達M君に紹介されて以来、私も気に入っています。
「ここはジンソニックがええねん」
という彼の教えをいつも忠実に守っている私。
Aちゃんは、初めてのお店では必ず頼むという好物のギムレット。
同じものを頼むことで、店の実力の比較も容易だそうです。
大人バーで乾杯。
年季の入ったカウンターは大きな馬蹄形。
多くの酔客の話を聞いてきたのでしょう。
「このカウンター、絶対持っていきたいですよね?」
と私。
「そうなんですよ。でもこのカウンターが置ける物件が無くて」
とバーテンダー。
ツマミは、これまたM君推奨のコンビーフ。
ポテサラとたっぷりのマヨネーズ、マスタードが添えられています。
パンも。
なんだか朝ご飯のようですが。
最高のアテ。
二杯目はバーボンソーダ。
JIM BEAMで。
彼女はドランブイ。
随分と渋い選択です。
ほのかな薬臭さと甘さが感じられるリキュール。
月曜日、しかも出張帰りなので今日は軽めに切り上げ。
「また十三付き合って下さい」
という彼女と別れ、私はタクシーを拾いました。
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