関西で業務の関わりがあるO局長、H次長、Y部長と私、そして関西の役員お二人も同席しての懇親会。
店のセッティングに関しては
「大阪らしい店がいいなぁ。できれば君の得意なB級グルメで」
と本社の役員から要望されていた私でしたが、堂島界隈縛りではお店選びは難航。
支社の飲み仲間の知恵を借りて、肥後橋のむらさきにしました。
B級ではありませんが、名物鯨はりしゃぶ鍋を始め、大阪らしい鯨尽くしが楽しめるお店。
おかみは「日本の食文化を守る」ため捕鯨を推進する運動家でも知られています。
ゆったりと懇親できるように個室をお願いしました。
本日のお料理はコースで。
壁の額もテーブルの敷紙も鯨。
箸置きは鯨の歯を加工したもの。
まずは生ビールで乾杯。
最初は八寸。
かぶら骨(軟骨)、しぐれ煮、百尋(ひゃくひろ・小腸)、尾羽毛(おばけ・尾びれ)。
ひと手間かけた工夫がされています。
刺身は鹿の子(あごからほほの部位)、サエズリ(舌)、本皮(表皮と皮下脂肪層)、赤身。
目にも鮮やかな彩りです。
本皮はいわゆるコロにする前の生の状態。
コロが苦手だと言う役員も
「これは全く別物だ」
と称賛の一品。
確かに口のなかでとろけるような食感は私も未体験。
日本酒に切り替えました。
鯨にちなんで高知の酔鯨。
炊き合わせはコロと野菜。
大阪のおでんではよく見かけるタネですが、さすがに仕入も処理も良いので、私の知るおでん屋のコロとは別物。
何とも品の良い料理です。
鯨ベーコン。
すっかり高嶺の花となってしまった、かつての大衆食。
居酒屋でも値段の高い部類となってしまいましたが、ここの鯨ベーコンは驚くほどのハイクオリティ。
これなら高くても納得。
日本酒は、奈良の銘酒春鹿超辛口に。
鯨竜田揚げ。
赤身を揚げたこの料理で、一同学校給食談義に。
そういえば、本当によく食べました。
安くて栄養のある食材だったのです。
さて、メインは名物鯨はりしゃぶ鍋。
鯨と野菜が盛りつけられたお皿を見るだけでも感動します。
名物の鯨はりしゃぶ鍋とは、はりはり鍋としゃぶしゃぶの造語。
一般的な鯨はりはり鍋は鯨肉と水菜の煮込み鍋ですが、この鍋は、水菜を刺身用の薄造り鯨肉で巻いたものを特製だしの中をしゃぶしゃぶとくぐらせて食します。
最初は当店オリジナルの食べ方、「逆しゃぶ」で。
生の刺身用鯨肉(赤身・鹿の子・本皮)で水菜を巻いたものを、器に入れ、沸騰した出汁をかけて食べます。
出汁をかけるだけでも火が通るのです。
二回目からは好みの加減でレア目のしゃぶしゃぶを。
昆布、鰹節等を使用し、サッパリした出汁は鯨肉と相性抜群です。
もちろんコロは生をしゃぶしゃぶと。
こんな食味食感は初めて。
お酒は焼酎にしました。
吉四六の亀。
〆はうどんです。
もちろん大阪らしい細うどん。
鯨の味が滲み出た出汁で煮たうどんは、コクがあって実に美味。
ネギをたっぷり入れて。
お新香。
山芋の粘りがなんとも美味しかったです。
よく味の滲みたこの鍋だしだけでも、お酒が進みます。
往年の先輩の武勇伝など、昔話で話題は尽きません。
3時間近く話に花を咲かせた懇親会もそろそろお開き。
一同大満足、大満腹で女将にお礼を告げて解散となりました。
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むらさき (居酒屋 / 肥後橋駅、渡辺橋駅、淀屋橋駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.5
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