丸十寿司南店で親子二代の素晴らしい接客と旨いツマミに満足した後も、Tさんのホスピタリティ魂はとどまるところを知りません。
大阪に来て1年半経つのに未だに法善寺も知らないという彼を連れて講釈。
2月3日には節分会が催されるようです。
うっかり通りすぎてしまう目立たない店構え。
238という数字だけが書かれています。
バー238(ふみや)。
年季の入った木戸を開けると、タイムスリップした錯覚に陥ります。
1948年、つまり昭和23年に開店したお店。
8月かどうかは定かではありませんが、きっとそうなのでしょう。
語呂も良い238(ふみや)。
さりげなくナッツが出てきます。
何気ないマスターの所作に年輪を感じます。
余計な詮索はしないものの、話しかければきちんと答えてくれる、そんなバーテンの基本が染み付いたマスター。
今日何度目かの乾杯です。
私は白州ハイボール。
つい3日前にニッカウヰスキー余市蒸留所を訪れた私にとって、レトロウイスキーのボトルはどうしても気になります。
しかも亡き父がかつて愛飲していた角瓶となれば、尚更です。
この店とは付き合いが長いというTさんが
「是非とも食べて欲しいんです」
と注文したのがキャベツ炒め。
一見何の変哲もありませんが、狭いカウンターの中で電熱器のゆるい火力で炒められていたのが味わい深かったそうです。
今は電磁調理器でしたが、やはり弱い火とたっぷりのバターで炒められ、しんなりとしたキャベツ炒めは、なんとも懐かしい味。
炒めてくれたのは息子さん。
といっても、もう40代のはず。
取り分けて。
しっかり食べてきたのに、不思議と胃に吸収されていきます。
私はもう一杯。
背中が曲がり、足元も少しおぼつかない感じのマスターですが、ひと度ボトルを持つと、そこは流石にキリッとした表情としっかりした手元になります。
ハーパーのソーダ割り。
ゆるりと流れる時間に、ここがミナミのど真ん中であることも、平成も四半世紀が過ぎたことも忘れてしまいます。
楽しいミナミ探訪を企画してくれたTさんに謝辞を伝えて解散。
私はK君を連れて地下鉄へ。
その前に改装なったグリコの看板を一目見てから。
LEDになって、随分明るく綺麗になりました。
これぞミナミ、これぞ大阪。
4年目の大阪暮らしですが、私は、まだそのほんの一部を知ったに過ぎないと感じた夜でした。
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238 (バー / 大阪難波駅、日本橋駅、近鉄日本橋駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.2
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