立石にはもつ焼きの店が多くあります。
北口で外せないのは「立石の関所」を自称する江戸っ子。
この店は盛りヘアーのママこそ優しいですが、他の女性従業員は皆厳しい仕切り。
赤ちょうちんの秀は旨い生ホッピーを飲ませてくれるので、私のお気に入り。
ここも立石では定番の鳥房。
鶏肉屋ですが、裏がイートインの居酒屋になっています。
名物の鳥の素揚げを始めとした料理が食べられますが、ここの女性従業員たちの仕切りもまた猛烈に厳しいので、初めての人は面食らうことでしょう。
呑んべ横丁はディープな立石の中でも一段とディープな一角。
戦後のバラック長屋に間口2間ほどの飲み屋が軒を連ねています。
小料理、居酒屋、スナックなど呼び名は様々ですが、なんともディープな店は一見では敷居が高い店ばかり。
そんな呑んべ横丁で私が馴染みにしていた店があります。
その名もずばりおでんや。
先客は一人。
カウンターの端に陣取り、3年ぶりに再会した店主にご挨拶。
私のことを覚えていてくれました。
三岳のロックを。
おでんの薬味が出てきました。
からし、もろみ、柚子こしょう。
そのチクワブと玉子を注文。
この組み合わせはいつ以来でしょうか。
独特の食感が懐かしい。
店主の絶妙の火加減で、煮過ぎずにすっきりと仕上がっています。
玉子も出汁がいい具合に滲みています。
もちろん関東風の濃口。
もう一組お客さんがやって来ました。
私は三岳のロックをもう一杯もらい
「初めまして」
とご挨拶して会話に割り込みます。
都市計画でこの町は大きく変わろうとしています。
京成線は高架となり、駅の南北の商店街の再開発計画も進行。
今歩いた一帯は立退きでバスロータリーになるとか。
マスターに聞いてみると、再開発計画や補償の問題があって、すぐには立退きとはならないようですが、それもここ数年には着工が始まることでしょう。
戦後の下町居酒屋の風情を残すこの町が消えるのは、昭和居酒屋ファンの私としては寂しい限りです。
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