フェイスブックでもお友だちの支社の別部署のH次長と、支社のグルメご意見番T女史が同期で、しかもアジアン好きの我々3人が好きなお店がここということもあって、一度「夜チョウクで飲みましょう」とかねてから約束していました。
ところがこの度H次長が早期退職され、新しい人生を歩まれることとなったので、「送別と壮行の宴」に企画変更して開催の運びとなりました。
強い雨の降る大阪。
会社から福島まで歩いて足元はずぶ濡れです。
アジアン好きのご夫婦が営む小さな食堂。
チョウク、とはヒンドゥー語で交差点、広場の意味。
この店に対するオーナー夫妻の思いが伝わる名前です。
大雨で思いの外時間がかかり、店に着いたのは約束の18時半丁度。
H次長とT女史は既にカウンターに着席されていました。
夜チョウクのメニュー。
お決まりもありますが、おまかせで色々食べることができます。
楽しみです。
今日は送別会ということを聞いたオーナーから嬉しい心遣いの差し入れ。
これも当店のヘビーユーザー、T女史の仕切りだからこそでしょう。
泡で乾杯です。
最初に出てきたのはピックルの三種盛り。
チキン、マトン、スナズリ。
スパイスとオイルの融合がハイレベル。
「このオイルを残しておいて、後でご飯にかけると美味しんですよ」
とT女史。
なるほど。
ラープガイ。
鶏ひき肉のスパイシー炒めです。
「辛いけど、身体が受け入れる辛さですよね」
とH次長。
「医食同源ってことですよね。日本人は本来アジアンが合うんですよ」
と私。
皆が好きなカイパロー。
鳥と卵の五香煮です。
お好みで調味料を使い、辛さを調整します。
器も東南アジアの食堂風で、そんなチープ感もこの店の狙い。
たまご好きの私には嬉しい茹で卵。
東南アジアでは生卵は食べませんが、火を通した玉子料理はポピュラーなので、私も楽しみ。
ビールを貰いました。
もちろんアジアンビールの取り揃えがありますが、あえての日本ビール。
こればっかりは日本のビールが旨いと思うのです。
ラムチョップ。
もちろんアジアン風のスパイシーな味付けです。
フィンガーボウルも用意されていますから、豪快に手づかみでかぶりつきます。
ジャスミンライス。
いろんなおかずが乗ったお皿にライスをよそって好みの味を作るのです。
最初に出てきたピックルのオイルをたっぷりとかけました。
グチャグチャとかき混ぜて食べるのが美味しい。
T女史が赤ワインを頼みました。
インドワインSULA。
「あれ、この店って白ワインしかないんじゃなかったっけ?」
と尋ねます。
「それがあるんですよ」
とほくそ笑む彼女。
さすが事情通。
おかずの盛り合わせ。
いかにも夜チョウクらしいものです。
もちろんライスにかけても良し、ワインのつまみにも最高。
いろんなスパイシーアジアンが、プレートの上で競演です。
もちろんライスにのせてかき混ぜて。
抜群に旨い。
最後はマドラスチキン。
カレー風味の煮込料理。
スプーンとフォークだけでアジアンスタイルで食べることを推奨するこの店ですが、珍しくナイフが供されます。
主役のH次長が見事なナイフ捌きで解体していきます。
カニを剥いてから食べる、そんな作業を思い出します。
これもオン・ザ・ライスで。
次から次へと広がる美味しさの小宇宙。
赤ワインは二本目へ。
酒飲みの私は一本では物足りなかったので、T女史の嬉しいオファー。
「〆に何か麺的なものをお願いできますか」
という常連のT女史のリクエストに応えてマスターが作ってくれた上海風炒麺。
オイスターソース味がなんとも美味。
早期退職して新しい人生を選択したH次長の決断に敬意を表しつつ、いろんな思いを伺いました。
私も今回ばかりはかなり真剣に自分の将来を考えただけに、最終的に退職しないという決断が本当に正しかったのか、その答はわかりません。
しかし、晴れやかなH次長の表情を見ると、どういう未来を手に入れるかは自分次第なんだ、とつくづく感じました。
店を出ると、外はまだ激しい雨。
「是非、またやりましょうね」
と、H次長、T女史と福島の交差点でお別れし、私は東西線の新福島駅へと潜りました。
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