その前にもう少し路地を彷徨ってみます。
モノクロームで切り取ったほうが、この町には相応しい。
一周りしてから、また先程の場所へ。
酒縁 ゆるり 地獄谷編。
ガラス窓から中を覗くと1席だけ空いているようです。
中の女性が手を振って私を招じ入れます。
5人しか入れない小さな店。
一番入口に近い席に座りました。
鹿児島県限定販売のきばいやんせをロックで。
アテは前回気になっていた座布団あつあげ焼きを頼みます。
まさに座布団のように大きな厚揚げ。
「山形の鶴岡の名物なんですよ」
とマスター。
「マスターは色んなとこ行って、美味しいもんよう知ってるもんなぁ」
とご常連の女性。
つい先日も敦賀の料理民宿にふぐを食べに行ったというから羨ましい限り。
「青春18切符で行くんですよ、普通電車で。交通費にお金かけないで、飲食にお金使うんですわ」
なんとも羨ましい人生です。
「日曜の夜は安いんですよ。そこも8,000円台で二食付やったからね」
「マスターの研修旅行やもんね」
と彼女。
確かに趣味と実益を兼ね、各地の美味しい品や情報を仕入れてくるのですからその通りかもしれません。
きつね色に焼きあがった座布団あつあげ焼き。
お醤油をかけていただきます。
これは旨そうです。
厚揚げは大好物。
しかもこんな大きな厚揚げが独り占めの大人食いです。
ここはキンミヤを置いています。
能勢酒造のノセミネラルレモンサワーと合せて酎ハイを作ります。
東京の居酒屋を思い出す一杯。
お客さんが入れ替わりました。
地獄谷に現れるとは思えない可愛らしいお嬢さんがお一人で。
その後、若い男性もお一人で現れ再び満席です。
期せずして三人共酎ハイになりました。
その男性が仙台出張のお土産で買ってきた笹かまぼこをお相伴に預かりました。
もう一つお土産。
焼きしそ巻。
味噌にクルミとゴマを和えて、しその葉で包んで焼いたもの。
カリッとした食感のしその葉は海苔のようでもあり、味噌と絶妙のマッチング。
「これは初めてだなぁ」
とマスターは品定めするように味わっています。
また新たな料理のアイデアがインスパイアされたのかもしれません。
私は焼酎をお代わりして残りの炭酸でもう一杯。
東京の飲み屋事情にも詳しいマスターだから、私が
「ナカください」
と言ってもスッとキンミヤを出してくれます。
こんな所も私がこの店をすっかり気に入っている理由。
ご常連の女性とマスターが私に地獄谷事情を色々教えてくれます。
おかげで行きたい店が、また何軒か増えました。
後から来た女性や男性ともすぐに打ち解けて、以前からの飲み友達のように会話。
そんな不思議な空気感がこの店の特徴。
cozy、という言葉が思い浮かびました。
店を出て、今聞いた店を確かめるために路地をうろちょろしていると、先ほどのご常連の女性と鉢合わせ。
ご親切にもそれぞれのお店を解説してくださり、野田の交差点までご一緒しました。
ここは、地獄谷という名の天国なのかもしれません。
東西線で大阪天満宮駅に戻ってきました。
時間は23時をとっくに回っていますが、今日は金曜日。
少し位夜更かしをしてもいいでしょう。
いつもの止まり木バーホワイトラベルの店内をガラス越しに伺うとカウンターの両端に男性と女性がお一人ずつ。
私はドアを開け、真ん中に腰掛けました。
お二人とも今日が初めてだとおっしゃいます。
私も3年前にこの店のドアを開けた時のことを思い出しました。
男性は私の千葉の留守宅の隣の市にお住まいと知り、世間は狭いなと思いました。
女性は私のブログをご存知だったらしく、私がキャノンデールだと知って大層驚かれました。
彼女が食べ歩いてみたいお店を検索すると、よく私の記事が出てくるらしく、その当の本人と会って驚かれたようです。
私こそ、美女に感動されて勿体無い限り。
つい話が弾みますが、時計は1時を回っています。
すっかり夜更かししてしまいました。
明日は土曜日。
天気が良ければ、近くにバイクを転がしに行こうかと考えながら家に帰りましたが、シャワーを浴びた後、明け方までソファで寝落ちしていました。
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