看板も何もないので、行列が無ければそこが製麺所だとはわかりません。
私も通り過ぎてしまいました。
煙突からは釜の湯を沸かす煙が立ち上っています。
蜩の鳴き声しか聞こえない、なんとものどかな場所。
軒先にバイクを止めて、店内へ。
製麺所らしく、店内はほぼ製麺スペース。
今日の讃岐うどん人気の火付け役と言ってもいい、2006年に公開された映画「UDON」のロケ地としても使われました。
そのお婆さんが、今もお元気でお店に出ています。
製麺を手伝っているのは、お孫さんでしょうか。
メニューも料金表もありません。
私は、お孫さんらしきお兄さんに
「冷たいのか熱いのか、大か、小かです」
と言われ、冷や小を頼みました。
140円。
映画のシーンそのままに、お婆さんが私に丼を運んでくれました。
撮影・掲載許可済み |
綺麗に撚られた白いうどん。
カウンターの上には各種調味料と生卵。
長いテーブル席が二つ。
なんとも素朴な雰囲気です。
「この麺は生醤油でいこう」
と醤油を少しだけ垂らして啜ります。
この製麺所に相応しい、なんとも素朴な味わい。
しっかりとした小麦の風味。
シンプルで力強い味。
しかし余計な個性はありません。
開け放たれた窓から聞こえる蜩の鳴き声が、うどんの旨さを引き立てます。
この店には生姜は置いていないようです。
赤唐辛子を振ってみました。
ツルリと完食。
もともとうどん好きの私は、映画を見て是非とも讃岐うどん巡りをしたいと思っていました。
もう10年近く前の話です。
当時は東京に住んでいたので、とうてい無理だろうと思っていましたが、大阪転勤を機に、いつかはきっと、と思っていたことが今回こうして実現しました。
思えば、うどん文化の大阪で、
「讃岐うどんは大阪のうどんと違って、太くて固い」
というのは、私も50年前から知っていたことです。
そんな讃岐うどんを、今、こうして、こんな山奥で食べていることに感慨を覚えました。
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三嶋製麺所 (うどん / まんのう町その他)
昼総合点★★★☆☆ 3.5
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