クリスマスと言えばチキン。
御堂筋のイルミネーションも私には興味がありませんが、チキンは興味があります。
単身赴任のサラリーマンがクリスマスにチキンを食べるのに相応しい場所として、今日の夜はここ、と決めていた場所があります。
曽根崎お初天神通りへ。
ニューミュンヘン本店。
浪速の古典的なビアホールだそうです。
サッポロビールの経営ということですから、東京で言えば銀座ライオン、ということになるのでしょうか。
存在はずっと知っていましたが、今更ながらの訪問です。
支社のグルメ御意見番T女史のアドバイスに従った夜を過ごそうという計画。
店先では、クリスマス用にテイクアウトの唐揚げを販売しています。
やはり浪速の風物詩なのでしょう。
これが当店不動の人気ナンバーワンメニュー。
阿波乙女鶏の唐揚。
もちろん、生ビールとの組み合わせです。
店内へ。
大きなクリスマスツリーが飾ってありました。
今年初めてクリスマス気分を味わった感じです。
案内されたのは中二階。
ホール全体が見渡せる、いい席。
予約していなかったのですが、すんなり入れました。
この後混んできたので、ラッキーでした。
一応メニューを確認しますが、オーダーは決まっています。
阿波乙女鶏の唐揚と生ビール。
先に中ジョッキが出てきました。
コースターのデザインも、ニューミュンヘンというネーミングも、なんとも昭和チック。
一人で
「メリークリスマス!」
しばらくしてバスケットに入った唐揚が出てきました。
これが浪速の名物、ニューミュンヘンの唐揚と生ビール。
4年も大阪で暮らし、B級グルメを自称しながら、今頃初めて食べるというのは忸怩たる思い。
揚げたてアツアツ。
猫手の私にはちょっとハード。
取り皿に一個ずつ取って。
少しずつ千切って、食べることにしました。
スパイシーな衣は、実にビールに合います。
もちろん、阿波乙女鶏もジューシー。
骨付き肉は食べ応えもあります。
これは結構満腹になりそうです。
卓上のPOPが目に止まりました。
唐揚が10ピースで1,600円。
意外と数が食べられる味付けの衣ですから、浪速っ子にはケンタッキーよりもこちらの方がお好みなのかも知れません。
「生ビールと唐揚。それ以外は食べなくてもいいです」
というT女史のアドバイスに従うまでもなく、それだけで満腹。
仕事納めの忘年会なのか、賑わう人混みの曽根崎お初天神通りの人混みの流れに身体を滑り込ませました。
ニューミュンヘン 本店 (ビアホール・ビアレストラン / 東梅田駅、梅田駅(阪神)、梅田駅(大阪市営))
夜総合点★★★☆☆ 3.4
通り抜けるときには一礼するのが礼儀、とどなたかから聞いたことがあります。
私は4年間の徒歩通勤で、ほぼ毎朝この神社の前を通りました。
もうお参りする機会もないかもしれないので、4年間無事仕事が出来た感謝を込めて、二礼二拍一礼。
渋い名店が軒を連ねるお初天神の飲食街へ。
今日のハシゴの二軒目は瓢亭。
ずいぶん久しぶりの訪問です。
転勤前の挨拶回り。
ハシゴ、というよりは締め、と言った方がいいでしょう。
少し早いですが、年越し蕎麦を手繰りに来ました。
満席で待つことになりました。
皆さん、年越し蕎麦気分なのでしょうか。
ビールや日本酒などを飲んでいますので、なかなか席が空きません。
10分ほど待ったでしょうか。
ようやく私の待ちが一番になったところで、次に暖簾を潜って現れたお客さんは、出向しているO部長。
こんなところで会うとは驚きです。
程なくご案内となりましたが、4人がけのテーブル席に相席を頼まれました。
そもそも知り合いですから、断る訳もなく、ご相席と相成りました。
私は夕霧そばと決めてきました。
これもT女史の推奨。
一斤と一斤半がありますが、聞き慣れないものなのでサイズ感がわかりません。
ニューミュンヘンの唐揚で満腹なことを考えれば、ここは一斤にしておくのが無難でしょう。
「温かいのにしますか?冷たいのにしますか?」
と聞かれて、私は咄嗟に言葉を失いました。
そういえば、あつもりとひやがあるようなことを聞いていましたが、どちらがお勧めだったか忘れてしまったのです。
先程からマシンガントークのO部長に飲まれてしまったのかもしれません。
結局、思い出せなかったので、「もり蕎麦は冷たいものに限る」という自分のポリシー通りに冷たい方をお願いしました。
先にそばつゆと薬味が出てきます。
うずらの卵が割って入っているところが、なんだか懐かしく感じました。
子供の頃、デパートの大食堂で食べたざるそばを思い出したのです。
この後、夕霧そばはなかなか出てきませんでした。
向かいのO部長はビールを飲みながら、鴨南を啜り、夕霧そばの口上を饒舌に話しかけてきます。
私もビールを頼めばよかったと後悔。
結局10分待ちました。
柚子の表皮を細かくおろし、そば粉に混ぜて打った香り蕎麦。
うずらの卵は割って。
薬味も入れて。
少し蕎麦を香ってから、そばつゆに潜らせて啜ります。
うずらの卵も絡めて。
なんとも甘いそばつゆと、やわやわのお蕎麦が、すっかり江戸の蕎麦に慣れた私には、新鮮で、それでいて懐かしく感じました。
やっぱりデパートの大食堂の思い出に繋がったのです。
O部長のマシンガントークに相槌を打ちながらなので、あまり柚子の香りを確かめることは出来ませんでしたが、唐揚を食べた後だけに、胃はかなりの満腹サイン。
もう一息です。
そば湯をお願いしました。
趣きのある急須。
南部鉄でしょうか。
そば湯を飲みながら、O部長とお話。
店内の喧騒も、耳に入ってきません。
今年も仕事は月曜日後一日。
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