とうとう私が最後の参加となる、この日が来てしまいました。
京阪沿線縁のメンバーでさえ下りたことのない、できるだけマイナーな駅で宴会をするという、いたってシンプルな懇親会も、三ヶ月に一回、欠かさず開催してきました。
私がこの会が大好きなので、必ず開催を督促するのと、永久幹事の若手T君が、素晴らしい仕切りで段取りしてくれるのが、京阪会長寿の秘訣です。
発起人の私の送別会は、たっての願いで、私の通った高校の最寄り駅でもある京阪交野線河内森駅近くにある焼肉河内屋で開催となりました。
会社からはJR学研都市線河内磐船駅で下りた方が断然便利なのですが、それでは京阪会になりません。
往路は京阪、という縛りに則り幹事T君の乗換案内通りに枚方市駅で乗り換えて交野線へ。
思ったよりも混んでいる私市線、しかもワンマン運転という驚きの事実。
河内森駅を降りたら「きかんしゃトーマス」がお出迎え。
私が高校生だった40年まえとは隔世の感です。
駅は綺麗になり、雰囲気はすっかり変わりましたが、レイアウトは変わっていません。
改札口の前に広がる住宅地は、多少家が増えたようですが、やはりのどかな郊外の風情。
5分ほど歩くとJR学研都市線の河内磐船駅。
駅舎が立派になっていたのはもちろん、駅前に広場があってロータリーが出来ていたのには驚きました。
当時は何もなかったからです。
駅から徒歩2分ほど。
線路沿いの行き止まりの路地の奥。
私道なのでしょう。
行き止まりが駐車場。
焼肉河内屋。
この店は、支社のグルメ御意見番にして「ウォーキングあまから」の二つ名を持つT女史愛用の店。
彼女がこの店を度々訪れるのをフェイスブックで知った私が、いつかは京阪会で訪れるべき店、とブックマークしておいたものです。
カウンターと座敷。
少人数から宴会まで対応可能な造りです。
メニューは手書き。
「ゲタバラは是非」と幹事のT君は、T女史から伝言を言付かっています。
イラスト混じりのメニューが何とも可愛い。
壁には芸能人の色紙に混じって、関取の写真や手形が。
ご主人はお相撲がお好きなのでしょうか。
きっと関取の食べる焼肉の量は半端ないのだろうと、つい考えてします。
やはり交野出身の勢関は外せません。
卓上にタレとレモンがセットされました。
生キャベツ。
いよいよ宴の準備も整いました。
今日のメンバーは会長で枚方在住のM次長を筆頭に、伏見出身のW次長、私と同じ枚方出身のM部長と、O部長、そしてつい最近結婚して新居を構えるまでは出町柳から通っていた幹事のY君。
交野出身で紅一点の中高の同級生でもあるTさんが、今回、体調不良で欠席となったことが私はとても残念。
牛脂を鉄板に塗ってスタンバイ。
まずは塩タンから。
いいスタートです。
キムチを銘々に。
ナムルも頼みました。
続いてはロースとハラミ。
考えてみれば、昨日の夜、今日の昼、とずっと焼肉です。
しかし、店の選択と日程調整は、自分の都合通りにはいかないのが送別会。
送っていただけるだけ、幸せでありがたいことです。
これにはおろしにんにくを添えて。
2ヶ月に及ぶ忘年会&送別会で疲れた胃腸や身体に、カンフル剤の効果を期待。
さりげない気配りに感謝。
私もそれをきっかけに、好物のプレーン酎ハイ。
てっちゃんと肩バラ。
大阪ですっかり馴染みとなった、てっちゃんです。
レバー。
私が転勤してきた4年前は生食できた好物のホルモン。
時代の変化を感じた4年間でもありました。
焼くと独特の食感になります。
それも悪くないのですが、やはり生食が一番。
本当に残念です。
上ミノ。
プレーン酎ハイを更にお代わり。
ナムルも第二ラウンド。
これはさっぱりして旨い。
メニューもひとあたりしました。
もう一回、美味しかったゲタバラを、カルビと一緒に頼みました。
美味しくて、いくらでも食べられますが、さすがに食べ過ぎです。
ご主人がフルーツを持ってきてくれました。
八朔です。
ご主人に、いつからご商売を始めたのか伺いました。
「ちょうど4月で40年になるんですよ。33歳で始めたんです」
「そんな昔って、このあたりは何もなかったでしょう?私の高校も田んぼの中にポツンと建ってましたよ。今はいろんなお店が出来てすっかり様変わりですね」
「当時は片町線も40分に一本しか電車が来なくてね」
「子供の頃は蒸気機関車が走ってましたよ。校外学習で見に行きましたから」
そんな会話をしながら、頭のなかで引き算をして、私はハッとしました。
40年前の私は15歳。
その4月といえば、この駅からほど近い府立高校に入学した年です。
あの、高校1年生の春を思い出しました。
京阪沿線在住で自転車通学だった私は、当時国鉄片町線と呼ばれたローカル線とは無縁でしたが、片町線で通う友達と話しながら河内磐船の駅まで自転車を押して歩いたことは何度かありました。
高校生の私には、焼肉など無縁の高級料理。
この店は視界に入っていたはずですが、まったく気が付きませんでした。
あの青春時代から40年、私はすっかり老いてしまいましたが、73歳のご主人は、実に矍鑠としておられました。
ここで送別のプレゼント。
中を開けると、京阪電車の模型でした。
組み立て式。
元鉄ちゃんでもあり、プラモデルマニアでもあった私には、思いもかけず嬉しいプレゼント。
最後は私からご挨拶。
この4年間、たくさんの飲み会を企画したり、参加してきましたが、この京阪会ほど、楽しく、待ち遠しく、そして頻繁に開催した飲み会はありませんでした。
この会の趣旨と、集まったメンバーと、変化に富んだお店探しのゲーム性がとても面白く、次回が待ち遠しく感じたものです。
私の仕事の節目である、四半期決算直後に開催するという慣わしも、また楽しみが増す要素。
これからもせめて半年に一回は開催して欲しいとお願いし、とりわけ永久幹事のT君に感謝の意を伝えました。
それにしてもずいぶん食べました。
今日の私はゴチ。
みなさん、重ね重ねありがとうございます。
ご主人からお土産にと包みを渡されました。
牛肉の時雨煮だそうです。
お店の前で、そのご主人にシャッターを押してもらい、いつもの記念撮影も無事終了。
河内磐船駅から電車に乗るのは初めてです。
学研都市線という愛称も、私には違和感。
ここは、やはり片町線なのです。
線路は複線。
駅の向こうの高架は京阪交野線です。
40分に一本だった、とご主人が言った電車は、この時間でも頻繁に走っています。
牛肉の時雨煮が美味しそうです。
快速電車が入ってきました。
これに乗って、今日は大切なお店の、お世話になったマスターにご挨拶に向かいます。
河内磐船駅から快速に乗り、東西線の海老江駅で下車しました。
新橋筋へと入ります。
こんな時間に、商店街を歩く人もいません。
今ではすっかり見慣れた路地裏。
迷路のような路地の奥の奥。
地獄谷の酒縁 ゆるり。
5人しか入れない小さな店。
転勤前のラスト訪問です。
マスターにお願いして、先ほど河内屋で貰った牛肉の時雨煮を温めてもらいました。
ここに来れば日本酒ですが、今日は焼肉を食べてきたので、さっぱりとキンミヤの能勢炭酸割りで、
マスターにも一杯勧めました。
ゆるりという店の名の通り、実にゆったりとした時間が流れる店。
その時間と空間は、この素晴らしいマスターによって創り出されています。
初めてこの店を訪問して以来、彼の大ファンとなった私は、訥々と語る彼の言葉の端々から「酒場の何たるか、酒と肴の何たるか」の多くを学びました。
冗談とも本気ともつかないユニークな語り口に魅了されて通った店ですが、今日が最後のお別れです。
撮影・掲載許可済み |
お腹はいっぱいですが、アテを一品もらいましょう。
ワタ入りのスルメいか丸干しを頼みました。
もちろん日本酒です。
緑川純米で乾杯。
日本酒に造詣の深いマスターと、日本酒談義。
もちろん磨けば磨くほどいいのでしょうが、私はせいぜい50%まで。
純米あたりが、一番日本酒らしいと感じます。
私の日本酒知識は、この店に通って幅が広がりました。
いい感じのワタ入り。
エンペラが旨い。
もう一杯もらいます。
この二ヶ月、ちょっと飲み過ぎです。
問わず語りに、マスターが脱サラしてお店を始めた時の苦労話を語ります。
そして今の店を開業するに至った経緯も。
そんな歴史があって、今のマスターと出会えたとか思うと、私もお話を聞きながらしんみりとした気分。
残りが少なくなりました。
これを飲み干したら、この店ともお別れです。
また最近のセンチメンタルな悪い癖。
マスターとサシ飲みでしたが、お客さんがお二人入ってきました。
踏ん切りを付けるタイミングです。
「本当にお世話になりました。もし東京に来る機会があれば、是非」
この路地裏に、また足を踏み入れることがあるでしょうか。
0時を回り、電車も無くなったので、タクシーで南森町へ。
後何日もないと思うと、こんな深い時間からでもつい立ち寄ってしまうホワイトラベル。
深夜族のメンバーと、マスター、スタッフを交えて乾杯です。
タマゴサンドもしみじみと。
もう一杯、と思う気持ちが強すぎます。
明日は関西支社最終出社日。
きちんとご挨拶回りをしなければなりません。
二日酔いなど、なってはいられないのです。
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