お世話になったスタイリストのお姉さんを始め、オーナーやスタッフの皆さんにご挨拶。
彼女からは「お世話になりました」とお菓子のお土産までいただいてしまいました。
ところが二月一日まで休業の貼紙。
そういえば11月末に来た時「一月はお休みするかも」と書いてあったのは、本当だったのです。
私としたことが、何たるリサーチ不足。
予定を変更し、来週ラスト訪問のつもりだった、地元南森町のらーめん 颯人に来ました。
昨年2月にオープンしたので、まだ一年足らずの新しいお店ですが、すっかり行列の人気店になりました。
12時で既に15人くらい並んでいます。
店主はカドヤ食堂で修業されたので、しょうゆらーめんが定番ですが、この店の一番人気はみそらーめん。
北海道岩内出身の若い店主が、独立するに際し自分らしい特色を出すために創り出したもの。
そんなお話を聞いたのは、初めて来た時、まだ行列も出来ていない夜でした。
今年から、その夜営業はなくなって、11時からの通し営業に変わりました。
会社帰りに晩ご飯で訪れていた私には、ハードルが高くなった颯人です。
狭い店なので回転が遅いのですが、今日は一段と遅いようです。
ようやく入口に近づいて、その理由がわかりました。
今日は、スタッフがいなくて店主のワンオペなのです。
調理、片付け、会計を一人でやっていては、時間がかかるのは当然。
ようやく入店。
一時間待ちました。
激辛カレーを食べるつもりで厚着をしてこなかったのが裏目に出て、すっかり身体は冷えました。
とはいえ、この店に来てこれを飲まないわけにはいきません。
サッポロクラシック。
店主が故郷の友人の酒屋から取り寄せているもの。
サッポロビールを扱うのも、クラシックを取り寄せるのも、「自分らしさ、颯人らしさ」を出すため、と以前伺いました。
前回の訪問で転勤の話はしてありますが、ビールを受け取った時に、今日がラスト訪問となることをお伝えしました。
いつもサービスのおつまみで比内地鶏の味玉。
たまご好きの私も納得の味。
実に旨いんです。
チャーシューとメンマ、ネギも。
今日は時間がかかりそうなので、つまみながらゆっくり待つことにします。
チャーシューは大きいものが三枚と、乱切りのものがゴロゴロと大量に入っています。
味玉トッピングをお願いしたのですが、なぜか二個入っています。
私のたまご好きを知る店主が、ラスト訪問だからともう一個サービスしてくれたようです。
お忙しいのでお礼を言いそびれました。
味噌には一味。
脂がしっかりと浮いていて、濃厚な味わいですが、くどいわけではありません。
実に奥深い味噌スープ。
ラーメンファンが行列をなすのも頷けます。
エッジの立った中太麺。
スープとの絡みも良好です。
たっぷりのネギの下には炒めたもやしが隠れています。
チャーシューは柔らかく、肉の旨味もしっかり感じられます。
スープを味わいつつ、麺も食べ進みます。
もう食べられないと思うと、ひと啜りにも思いがこもります。
私が食べ始めてから女性が手伝いに来たので、少しオペレーションがよくなりました。
店主から「家内です」と紹介されてびっくり。
奥さんにはお会いしたことはありませんでした。
「こちらがキャノンデールさん」
と聞いて、奥さんも大きく頷いていました。
「お世話になっています」
と言われて、なんだか照れくさい気分。
味玉を割りました。
こんなにたくさんのたまごで、幸せな気分。
もう一個も。
大人食い。
スープはもちろん残しません。
しっかりと飲み干しました。
本当に美味しい。
ごちそうさま。
お会計の時に、ご主人はわざわざレジの所まで顔を出してくれました。
たくさんサービスしていただいたのに、お代はみそらーめんの分だけでいいとおっしゃいます。
「餞別です」
とにこやかに言われました。
「Hさんのご縁ですよね」
と店主が言うHさんとは、ブログへのコメントで私にこの店を教えてくれた北海道出身の方。
そのHさんとは、今ではホワイトラベルでお友だちになっています。
私はご主人と奥さんに何度もお礼を述べ、店を後にしました。
先程よりも行列は更に長くなっていました。
外は相変わらず曇り空で冷え込んでいますが、私の身体が温かいのは、ラーメンを食べたからだけではないようです。
「甘いモノは召し上がりますか?」
とスタイリストのお姉さんに聞かれ
「普段食べないけど、カスタード系だけは別だよ」
と話したことを思い出しました。
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