「なぜ、こんな所に、こんな店が」という不思議発見こそがB級グルメ道の楽しみでもあります。
高くて旨いのは当たり前。
メディアに紹介されては、B級グルメもA級グルメの仲間入り。
そんな中で、ひっそりと隠花植物のように生息し続ける旨い店を見つけた時の喜びは、求道者としてはひとしおです。
そんなドキドキする発見の成功率が現時点で100%という日立愛宕別館。
もともと6店あったと思われる飲食店街に残る3店舗。
この淘汰と進化の歴史こそ、紐解かなければならない虎ノ門の謎の一つ。
今日は、まだ手付かずだったこの「洞窟」の再奥地に探検の歩を進めます。
新富鮨。
同名の寿司屋が、かつて私が勤務していた築地のコンワビルの地下にありました。
暖簾の染め抜き文字から、系列店の匂いもしてきます。
虎ノ門エリアには中華料理を筆頭に居酒屋も多いのですが、なぜか寿司屋はほとんど見当たりません。
そんな中、貴重な選択肢になればという思いで、店の暖簾を潜ることにします。
ピークは過ぎていたので、テーブル席にすんなりと座れました。
私はにぎり、同僚たちはちらしを頼みました。
カウンターの板さんたちも、ホール係の女性も感じがいい。
M部長が
と言います。
そんな使われ方をしているとは驚きですが、妻の友人たちが私とは知らずに読んでいて、後で旦那だとわかったという話も聞きますから世間は狭いもの。
そんなお喋りをしているうちに私の握りが出てきました。
握り6貫と巻物。
これで一人前970円。
稲荷ずしと小鉢も付いてきます。
これはちらしにも付いてきたので、ランチタイムのサービスということでしょう。
追っかけで味噌汁も。
前後が逆に置かれていたのです。
これはご愛敬。
味噌汁は嬉しいしじみ汁。
稲荷すしは濃厚な味付。
まぐろは中落ちたたきの巻物と赤身。
大きな玉子焼きも嬉しい。
こんな奥まった場所に、13時近くになってもお客さんが絶えることなくやってきます。
手前の洋食HILO、台湾料理パオともども謎の繁盛ぶり。
味や値段はもちろん、それらを越えた「何か」があるからこそ、このロケーションでも存在し続けるのでしょう。
虎ノ門はB級グルメの研究対象として非常に奥深い場所だと改めて実感しました。
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