年末年始も営業している、酒が抜けない懲りない面々にはありがたいお店です。
改装して玄関は新しいですが、歴史のある大衆酒場。
カウンター席に空きを見つけて座ります。
31日の20時過ぎと言えば、家族親戚が集まって美味しい料理を囲みながら紅白でも見ている時間ですが、この店は、そんな団欒とは無縁の酔っ払いたちの憩いの場。
とりあえず、芋のロックを頼みます。
味気ないグラスに注がれた、水のような液体。
これが、また良い。
テレビはボクシングを映しています。
2011年のクリスマスイブにこの店の暖簾を初めて潜った時は、クリスマスを祝う相手のいない酔っ払いたちが、フィギュアスケートの放送を観ながら
「ジャネット・リンのが、可愛かったで」
と言っているのを聞いて、この店の奥深さを知ったのが昨日のことのように思い出されます。
カウンターの冷蔵ケースに入っている作り置きのハマチの刺身とだし巻き玉子を頼みます。
本日二軒目の立ち上がり。
酔客の喧騒は、今日が大晦日だということを忘れてしまう、この店らしい日常。
なかなかに旨い刺身。
だし巻き玉子は、懐かしい大阪の味。
当店限定という天満酒蔵ハイボールを頼みます。
最近大衆酒場で流行りの、ウイスキーを酎ハイで割るタイプ。
さっきの七福神にもありました。
ウイスキーの色がほのかにありますが、味は樽ハイの酸味を感じるもの。
飲みやすいので、要注意です。
もう一品、何か温かいものを頼むことにします。
湯どうふにしました。
出汁で煮て、とろろ昆布をあしらった浪速の大衆酒場の定番。
「湯豆腐は、やっぱり京都だよね」
という東京の人に、これを食べさせてあげたい。
奥のテーブルでは酔っぱらってボルテージの上がったグループから、かなりのノイズが出ています。
目の前の女将は
「うるさいなぁ~。何遍言うたらわかんねん。追い出してき!」
と若い厨房従業員に指示を飛ばします。
やはりベテランの別嬪ホール係は、相変わらずツンデレ系のキツイ仕切りで浪速の酔っ払いたちを捌いています。
怒られても嬉しい、この独特の雰囲気が好きなオヤジたちに幸あれ、と思いながらセンベロのお会計を済ませて席を立ちました。
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