2018年5月14日月曜日

宴の後の静けさに昭和ノスタルジー。ランチ営業終了後の銀座三原橋「中華三原」でラーメンとチャーハン

銀座で所用を済ませて、時計を見れば18時半前。
晩ご飯を食べて帰ろうと思案を巡らせます。
そういえば、先月でランチ営業を終了した、三原橋の懐かしい中華三原が頭に思い浮かびました。


その三原橋は、撤去して晴海通りを平らにする工事が進行中。
かつてこの晴海通りの地下にピンク映画館や飲み屋があったことなど知る人も、ずいぶんと少なくなったことでしょう。
さすがに私は、ここに橋がかかっていたことを知るほどの年ではありませんが。間違いなく三原橋は人々の記憶から消え去る運命です。


その三原橋のそばにある三原小路。
「世界の銀座」に残る昭和レトロな路地の一つです。


この小路の奥に、今日のお目当てのお店があります。


中華三原
昨今、絶滅危惧種に認定されている町中華ですが、銀座では、尚の事貴重な存在です。


度重なる消費税増税と仕入れ価格の高騰から、値上げの度に書き換えることを放棄した看板。


入口には17時から21時半までの営業時間の貼り紙。
ランチ営業を終了した事実を突きつけられます。
経営者兼従業員の高齢化や後継者難により、全国的に広がりつつある町中華絶滅の危機。
そこへ大挙してお客さんが押し掛ければ、そのお客さんたちを捌ききれないお店は、廃業や営業時間短縮に加速がかかろうというもの。


今から20年以上前、ランチや残業帰りにたまに食べに来ていたこの路地裏の中華がなぜか大ブレイクしていると知ったのはインスタグラム。
連日30分待ちはザラという異常な混雑に、厨房はてんてこ舞いとの書き込みが見受けられました。
「並ぶような店じゃないんだけどなぁ」
と私は訝しく思いました。
不味いわけではなく、むしろ美味しい部類の店ですが、わざわざ並ぶほどの店ではないからです。
このあたりのニュアンスは、主観的ですが。


値段の書かれたメニューは店内の壁に貼られています。


大将が水を持ってきてくれました。
ランチタイムとは違った、ゆったりした時間が流れています。


赤いデコラのテーブルは町中華の必須アイテム。
調味料も基本のラインナップです。


大将はご常連と軽口を叩きながら、マイペースで料理を作っています。
ようやくランチ営業終了に伴う混乱から解放された安堵感が伝わってきます。


2年振りの訪問。
今度いつ来れるかわからないと思い、注文したラーメン炒飯の二品。


昔懐かしい醤油ラーメン。


久しぶりのご対面のチャーハン。
こんなに多かったかな、と一瞬怯みます。


「さすがに二品は多かったかな」
と思いましたが、乗りかかった舟。


白胡椒を振って、いただきます。


まずはスープをひと口。
シンプルな醤油味。
むしろ今では貴重ともいえる味。


麺を啜ります。


緩やかなウェーブの中太縮れ麺は鹹水が多め。
醤油味のスープとの相性も良好です。


チャーシューは脂身の少ないもも肉。
やや固めなのも、町中華らしい。


メンマも大きなもの。


記憶よりもはるかに大きなチャーハン。
ラーメンと同じチャーシューの細切れがたくさん入っています。
濃い目の醤油味。


完食できるかどうか、いきなり不安になります。


チャーハンにラーメンをのせます。
最も贅沢なラーメンライスは、白飯ではなくチャーハン。


次第にお客さんは減っていきます。
先月までランチタイムに繰り広げられた狂想曲がどんな風だったのか、私は目撃していませんが、逆にその宴しか見たことがない人には、「これが本当のこのお店だ」と知ってほしいと思いました。


ラーメンもチャーハンも半分食べたところで満腹。
当たり前ですが、ここまでで一人前なのです。


私が吹き出す汗を拭いながらチャーハンと格闘しているのを見て、大将がお水のお代わりを持って来てくれました。
ランチタイムなら考えられないサービス。
これも、この店の知ってほしいところ。


もう一息です。


なんとか寄り切りました。


気が付けば、お客は私ひとり。
聞こえるのはテレビの音だけです。


お会計を済ませ、大将に見送られて店を出ました。
すぐ隣には、やはり時々食べに来た焼肉東京園
東京オリンピックの後もこの風景は残っているのだろうか、と思いました。





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夜総合点★★★☆☆ 3.5

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