2021年10月26日火曜日

駅から遠い下町居酒屋ならではの家庭的な雰囲気。江東区扇橋「美好」は旨い生ホッピーと味良焼と優しい接客が素晴らしい


今日は会社帰りに、コロナ禍のためにずっと宿題となっていた下町居酒屋を訪れることにしました。
趣味の下町居酒屋巡りも、中断してから早2年近く。
まだ、完全に元に戻ったわけではありませんが、世の中も少しずつ日常を取り戻しつつあります。
今日の目的地は、住吉駅から徒歩10分弱の扇橋交差点近くにあるお店です。


ホッピーを看板に掲げる「美好」


ただのホッピーではありません。
ホッピービバレッジに認定された、生ホッピーが飲めるお店。


四ツ目通り清洲橋通りが交わる扇橋二丁目交差点のそば。
この交差点の下は、半蔵門線が大きく直角にカーブしています。
南北の交通が弱い江東区悲願の有楽町線の延伸が叶えば、この辺りも変わることでしょう。


前のめりで会社を早く出たので、17時の開店の10分前に着いてしまいました。
以前来たことのある他のお店が変わりないか、周辺をパトロールして時間を潰してから再びお店に戻ります。
マスターが暖簾を出すのが見えました。


17時2分前。
口開けの客として、暖簾を潜ります。
縄のれんがなんとも味わい深い。


噂に聞いていた優しいお母さんの声に迎えられ、初めてのお店に訪問するときの緊張も解けました。


カウンターとテーブル席が二卓のこじんまりしたお店。
調度の年季の入り具合が、下町酒場好きの私には堪りません。


秋を感じさせる生け花がカウンターに飾られていました。
いつの間にか、そんな季節です。


まずは生ホッピーを頼みます。
今日は何杯か飲むつもりですが、一杯目はハーフ&ハーフにしました。
サーバーから生ホッピーを注ぐお母さんの慣れた手つきを観察します。


「ちょっと泡が多くなっちゃたわね」
と言って、少し泡が落ち着いたところでホッピーを継ぎ足してくれました。
一見の私にさえ親しくかけてくれる微笑みが、なんともチャーミング。


「ずっと来たかったんですよ、こちらに。でもコロナで来れなくなっちゃって」
それがきっかけでお母さんとホッピー談義に発展します。
「平成元年に生ホッピーが出た時から始めてるんですよ。お店はもう48年になるんです」
「そうなんですか!ホッピー出す店は多いけど、なかなか生ホッピーを出す店は無いですからね。特に美味しい生は」


膨大な短冊メニューとホワイトボードを眺めていると、お母さんが
「真ん中から左右は、全部同じなのよ」
と教えてくれました。


キャベツと味噌がつまみで出てきました。


基本の焼き物とは別に、味良焼(みよしやき)というこの店の人気メニューがあります。
味噌味のもつ焼きで、かしらたんが選べます。


最初に頼んだのは、この味良焼かしら
「これって、味噌味なんですよね?」
とマスターに尋ねると
「ええ、そうなんです。美好にかけて味良という風に呼んでるんですよ」
と言います。
ホールと接客はお母さんに任せて、カウンターの向こうで黙々と調理するマスターですが、話すととても穏やか。


大好物のカシラが、味噌ダレ特有の甘みのある味付とマッチ。
ジューシーな肉質で、実に美味しい。
生ホッピーもグイグイと進みます。


ホワイトボードに書いてあった枝豆を頼みます。
ダイエットを始めてから、野菜は必ず食べることにしているのです。


二杯目は白ホッピーにチェンジ。


きめ細かい泡が、いい感じ。


にら玉を頼みました。
たまご好きの私が、最初から目を付けていたメニューです。


ふんわりとした焼き加減に柔和なマスターの人柄が現れています。


三杯目は、もちろん黒ホッピー
一番好きな味です。


もつ焼きを頼みます。
3本がミニマムオーダーなのですが、それは一回の訪問で、というルール。
一種類一本でも可能です。
とん(アブラ)たんで一本ずつお願いします。


もつの旨味がしっかりと詰まっていて、実に美味。


タレのもつ焼きも頼んで仕上げることにします。
今度いつ来れるかと思うと、つい欲張ってしまいます。
レバーしろを一本ずつ。


ちょっと飲み過ぎかな、と思いましたが、黒ホッピーをお代わり。
旨い生ホッピーはなかなか出会えないから、という自分への言い訳で四杯目。


いつの間にか、ご近所の常連さんが二組、テーブルでくつろいでいます。
ようやく戻ってきた日常の光景。


お母さんの接客が、親戚のおばさんの家で飲んでいるように居心地が良くて、気が付けば一時間半の長っ尻。
お会計を済ませ、温かい言葉に見送られてお店を後にします。
外はすっかり暗くなっていました。


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