「宇ち多”」の口開け気分を楽しんだ私の今日のもう一軒の狙いは、すっかりご無沙汰している「餃子の蘭州」。
しかし、蘭州の開店は17時。
まだ1時間弱ありますので、地元のNさんのご案内で中継ぎのお店に向かいます。
踏切を渡って、再開発が進む駅の北側へ。
不定休がちな蘭州が仕込み中なのを確認し、お母さんに
「後で来ますから」
と声をかけて更に北へ。
駅の近辺でしか飲まない私には、馴染みのないエリアです。
今飲んできたばかりの立石の象徴「宇ち多”」から贈られた暖簾が、この店が只者ではないと感じさせます。
Nさんの解説によれば、店主は、かつての二毛作~丸忠で切り盛りをしていた方が独立したそうで、「贈 立石仲見世 宇ち多”」の暖簾の重みもわかろうというもの。
もちろん私もかつて何度か二毛作や丸忠を訪れたことがありますが、店主の顔の記憶は恥ずかしながらありません。
シンプルなエクステリアながらも、主張を感じる店構え。
店内は古典居酒屋の基本、コの字カウンター。
しかし、中は店主一人が辛うじて通れるほどの狭さ。
細長い店の構造を逆手に取って、あえてコの字にすることで、店主とはもちろん、お客さん同士の距離感もグッと近くなるという効果もあるようです。
Nさんは酒場で人と仲良くなる天才なので、今日も周囲のお客さんとご挨拶を交わしています。
もちろんご時世柄、アクリル板越しではありますが。
見上げるとアルコールのメニューが黒板に書かれています。
純米酒とヴァンナチュール(自然派ワイン)の揃えに力を入れているようですが、もちろん立石の飲兵衛の好みに合わせて全方位の構えです。Nさんと店主のお薦めに従い、国産の自然派赤ワインをボトルで。
二人とも飲兵衛ですから、中継ぎの店ではありますが、グラスよりも良いでしょう。
きっと店主の人柄と店の雰囲気が、お客さんのリラクゼーションにもつながっているのでしょう。
立石の奥深さと広がり、そして温故知新を実感した、楽しいお店でした。
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