2022年5月1日日曜日

大阪帰省帰りのランチも京料理。錦市場近くの「近又」で素晴らしい懐石コース

 

今回の大阪帰省は二泊三日と慌ただしいものでした。
二日目の父の法事の日こそ良い天気だったものの、後はずっと雨。
今日は朝から弟夫婦と一緒に岩倉にある義兄の墓参り。
四条烏丸で彼らと別れて、妻と二人で予約したあった料亭に向かいます。
若い人たちで賑わう錦小路を抜けて、御幸町通りを下ったところにある由緒ある建物が、今日のランチを頂く「近又」です。


1801年創業の近江商人宿が始まりといいますから、かれこれ220年の歴史があります。
現在の建物は明治時代のもので、「国の登録有形文化財」に登録されています。


三和土には下駄と鐙。
商人宿の歴史を伝える飾りですが、今でも一日三組限定の宿として営業しています。


玄関の奥には立派な兜が飾られています。
そういえば、端午の節句ももうすぐです。


暖簾を潜ると、その先がカウンターになっています。


個室もあるそうですが、私たちが予約したお昼のコースはこちらで頂きます。
綺麗に磨かれたカウンターの向こうが板場になっています。


テーブルは品良くセットされていて、期待が高まります。


最初に煎茶


瓶ビールを頂きます。
一昨日も和久傳もそうでしたが、懐石料理には、ゆっくり飲める瓶ビールが合う気がします。
銘柄はエビス
昼からゆるりと飲める幸せ。


最初は八寸


品数も豊富な手の込んだ料理が、美しく盛り付けられています。


素材を活かすために控えめな味付ながら、主張も感じます。
京料理の真骨頂。


お椀は桜海老の真丈。


その上にのっているの白い小さなものは、柚子の花。
すごくいい香りがします。
「是非召し上がってみてください」
と若い八代目がおっしゃいます。


桜海老の真丈は、ふわっとした真丈の中に、歯応えを感じる桜海老がたっぷり入っていて、風味と食味の妙が素晴らしい。


向付鯛のお造り湯葉
湯葉はまるでお豆腐のような厚みのあるもの。
もちろんトロリと柔らかく、お造りとの組み合わせが実に面白い。


ビールの次は日本酒です。
もちろん冷酒。
純米吟醸の羽田を選びます。


炊き合わせは、旬の筍の若竹煮
供される直前にたっぷりの鰹節を振って、その上に木の芽。
やはり旬の豆が、春を感じます。


観光する間もない慌ただしい3日間でしたが、こうして昼間から美味しい和食をつまみながら、冷酒を舐められただけでも、今回の帰省は意味がありました。


焼物とだし巻き


焼物は
一昨日の和久傳と同じく、やはり琵琶湖が近いからでしょうか。


さっきから板さんが他のお客さんに焼いていた、だし巻き
「私にはいつ出て来るのだろう」
と、たまご好きの私は首を長くして待っていました。


ご飯お漬物ちりめん山椒が出てきました。
ご飯はこだわりの江州米。
近江に縁のある近又ならではです。


京番茶でお口をさっぱりと。


お菓子は洲浜(すはま)


きなこの風味がとても香ばしく、ややもっちりとした食感。
青い方は、うぐいす豆の味。
おめでたい意味も込められた伝統的なお茶菓子です。


目の前で八代目がお抹茶を立ててくださいました。


まるでお茶席にいるような演出です。
料理だけではない、おもてなしの心は、お値段以上の満足感。


お店の前まで見送ってくださった若い八代目にお願いして、お店の前で夫婦の記念写真を撮って頂きました。
また来てみたい、と思う本当に素敵なお店でした。

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近又懐石・会席料理 / 京都河原町駅祇園四条駅烏丸駅
昼総合点★★★☆☆ 3.8

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