今日は残業になりました。
下町居酒屋に行くには遅すぎるので、西口の「大露路」で一杯引っかけて帰ろうと向かいますが、3組待ちの行列。
しかも、どこで知ったのか若者たちばかり。
オジサンの聖地を奪われ、私はやむなく方針を変更します。
再び新橋駅に戻って、ニュー新橋ビル一階の立ち食いそば「丹波屋」の暖簾をくぐります。
わたし的にはここの春菊天そばと、新橋駅前ビル1号館地下の「おくとね」の舞茸天そばを、新橋立ち食いそば界の両巨頭と目しています。
5人も入れば一杯の激狹店。
ここの名物、春菊天そばを啜ろうと来たのです。
カウンターに置かれている天ぷらは、残りわずか。
その中からそれぞれラストワンの春菊天とコロッケを素早く見つけて、ダブルトッピングでオーダー。
生卵まで加えて、立ち食い蕎麦屋で640円という破格の豪華残業メシです。
すぐに目の前にそばが置かれます。
春菊天コロッケ月見そば。
豪華トッピングに蕎麦も隠れるほど、丼の上は立錐の余地もありません。
後から来たお客さんが、春菊天もコロッケも無いと知り、あきらめて帰りました。
申し訳ないと思いながらも、タッチの差で食べられた私の喜びは増すばかり。ふにゃりと柔らかい仕入れ麺。
このチープさが、立ち食い蕎麦の真骨頂です。
コロッケに箸を入れます。
みるみるうちに汁を吸って、コロッケの衣もジャガイモもフニャフニャ。
コロッケの下に隠れていた春菊天にも箸を入れます。
既にたっぷりと汁を吸っていて、衣の結着力が失われ、春菊の破片が浮遊し始めていたので、大至急レスキューにかかります。
そして最後に生卵。
そばのトッピングでは、最も難度の高いのが月見の処理。
食べる人の手腕が問われるトッピングです。
箸入れの後、素早く蕎麦に絡めて啜ります。
グズグズしていると、生卵は全て汁に流出、溶解し、その実体が全て失われてしまいます。
一刻を争う緊急事態。
卵黄、卵白、そしてコロッケと、春菊天。
慌ただしく蕎麦を使ってかき集めながら啜ります。
このせわしなさが、立ち食い蕎麦をより早く食べることに繋がるのです。
あっという間に食べ終わりました。
3分で640円。
相当なタイパの豪華な残業メシとなりました。
いつの間にかPayPayが使えるようになっていたのを知らず、小銭が増えてしまったことだけが悔やまれます。
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