2024年9月2日月曜日

【新富町の住宅街にひっそりと佇む人気急上昇の「燎」(ががりび)。夜は並ばずに入店できて、美味しい手揉み縮れ麺と奥行きのある醤油スープの「味玉醤油ラーメン」を頂けた僥倖】

 

ラーメン通の次男から日曜日にこの店の訪問レポートが家族LINEに送られてきました。
場所は新富町で、20時まで夜営業もしているので残業が遅くならなければ行けそうです。
これは行かなければ、と思っていたその翌日の月曜日、仕事が19時前に終わりました。
新橋から浅草線に乗って宝町駅で下車します。
中小のオフィスビルやマンション、古くからの戸建てが混在する新富町の住宅街を歩くこと7、8分。
小さなビルの一階に明かりが見えました。


ラーメン「燎(かがりび)」
今年4月にオープンしたばかりなのに、早くも食べログTOP5000入りのの人気急上昇店です。
SNSを事前にリサーチし、夜は待たずに入れた人もいた情報をゲットし期待してお店に向かいましたが、まさにその情報通り行列はありません。


入口のメニューには英語、中国語、韓国語の表記があり、やはりインバウンドも来ているのだとわかります。
TableCheckで順番待ち予約ができるのは嬉しいサービスです。


白い暖簾を潜り、店内へ。
6人掛けのカウンターに先客は4人。


入口脇の券売機で食券を購入します。
完全キャッシュレス対応の最新型機は、キャッシュレス派の私にはありがたい。
たまご好きの私は味玉醤油ラーメンをチョイス。


一枚板のカウンターは、まるで割烹か寿司屋のようです。
テーブルの上に置かれた明るい同系色のランチョンマット、屋号の焼き印が押された箸やコンクリ打ちっぱなしの内装に、この店を開いた時の店主のこだわりを感じます。
代々木上原の「Japanese Soba Noodles 蔦」や、ここからもほど近い八丁堀の「麺や七彩」などの超人気店で修業してからの独立だそう。
ワンオペの店主は、雰囲気も所作もどことなく寡黙な割烹の料理人のようですが、その接客は柔和で、これから出てくるラーメンへの期待も高まります。


注文を受けてから、タネから麺一人前を包丁で手切りし、しっかり手揉み。
その麺を大鍋に投入するまでの料理人らしい身のこなしはとても興味深く、つい見入ってしまいます。
更にスープを別鍋で温める鍋捌き、盛り付けの箸捌きを見ながら待つこと10分。
私の前に、美味しそうな味玉醤油ラーメンが置かれました。
その整ったプレゼンスと共に、醤油の良い香りが鼻をくすぐります。
店主の優しい接客に、私も思わず背筋を伸ばしラーメンに手を合わせて
「いただきます」
と大きな声を出しました。


チャーシューもメンマも、一つ一つが大きなサイズで存在感があります。


早速スープをひと口。
「ほぉ~」
と思わず声が出そうになる複雑で奥行きのある醤油スープです。
和歌山、兵庫、島根、愛知など醤油どころの複数の種類をブレンドした醤油ダレを使用しているそうなので、その配合の妙がこの味を生み出しているのでしょう。
出汁も国産銘柄鶏のガラではない丸鶏を使って取っているとのことで、極めてシンプルな「醤油味」ながらも、とても上品で美味しいスープに仕上がっています。
鶏油で熱を閉じ込めたスープは、しっかりと熱いのも私好み。
ラーメンのスープは熱くなければいけません。


続いては、ついさっき切って揉まれたばかりの麺を啜ります。
ラーメン界ではブランドの「はるゆたか」「 春よ恋」「ゆめちから」「きたほなみ」などの小麦をブレンドしているそう。
やや柔らかめの麺ですが、手揉み特有の緩やかなウェーブと手切りの不揃いさ、そして強い醤油に負けない小麦感で、実に旨みのある麺となっています。
もちろん、当店の醤油スープとの相性は抜群です。


豚肉チャーシューは肩ロース。
麺を茹でている間に炙って仕上げたものをのせています。
基本のラーメンには一枚ですが、厚切りの大判なので十分な量。
もちろん柔らかく、肉の旨味もしっかり感じるクオリティです。


メンマも大切り。
素材も味付けも文句なしです。


もちろんトッピングした味玉も期待通りの半熟加減。
黄身の味も濃厚です。


最初少ないと思った麺ですが、丼に入っていたスープが多めなのでそう見えただけで、終盤は結構お腹一杯。


その多めのスープが美味しいので、ついつい飲み干してしまいました。
塩分を摂り過ぎたかもしれませんが、複雑な醤油スープの正体が知りたくて完飲です。


昼は行列のようですが、夜は待たずに入ることができました。
その後もひとり、ふたりと来店がありましたが、満席になることはないゆったりした営業。
駅から少し距離があり、熱心なラーメンファンもなかなか訪れにくいロケーションからかもしれません。
私は幸い会社の帰り道なので、残業帰りの美味しい晩ご飯の良い選択肢が見つかって嬉しい限り。
「ごちそうさまでした」
と大きな声で店主に礼を告げて席を立ちます。
「どうもありがとうございました」
という声に見送られて、都心なのにひっそりと静かな新富町の路地を歩き始めました。

関連ランキング:ラーメン | 新富町駅八丁堀駅宝町駅

ラーメン / 新富町駅八丁堀駅宝町駅
夜総合点★★★☆☆ 3.8

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。