久しぶりの留守宅。
長男以外は出かけていて、晩ご飯は必然的に外食。
ならば募る話もあるし、私の最愛の居酒屋を紹介しようと長男を連れて電車で船橋へ。
大衆居酒屋の鏡、船橋の名店一平。
驚くほど安く、驚くほど旨い店。
土曜日は16時開店。
我々は2回転目を狙って18時前にお店に着きましたが、それでも20分ほど待ちました。
いつもはスーツ姿が目立つ店ですが、土曜日らしく皆カジュアルスタイル。
ご夫婦連れもいらしていて、平日とは随分雰囲気が違います。
まずは生ビールと煮込みを頼みました。
煮込みにはもちろん豆腐も入れて。
継ぎ足し継ぎ足しで煮こまれた牛もつは絶品。
まぐろ脳天刺しを食べさせてやりたかったのですが、今日はもう売り切れ。
そこで中トロとカマ刺しを頼みました。
息子の希望でマカロニサラダ。
いいものを頼むじゃないか。
私はボールにチェンジ。
「ボールって何?」
と息子。
「ハイボールのことだよ。下町居酒屋ではチューハイと言わずボールと言うんだよ。もともと酎ハイは焼酎ハイボールの略。戦後の混乱期に高価なウイスキーハイボールを飲めなかった東京の下町大衆酒場で生まれた飲み物だよ」
と即席の居酒屋講座。
高度経済成長期に生まれた私が、戦後の混乱期など知るわけもないのですが。
これまた絶品の定番、煮玉子。
煮玉子は牛煮込みとは別の鍋でしっかりと煮込まれています。
ここからは息子にオーダーを任せました。
しらすおろし。
ハムカツ。
なかなかいい選択。
さてお酒の講義は続きます。
ホッピー。
やはりその成り立ちと飲み方について講釈。
連夜のホッピー。
東京ではスーパーでもドラッグストアでも手に入るホッピーですが、大阪では名前すら知られていません。
こんなに旨い酒なのに。
目移りしてしまう豊富なメニュー。
しかも全品300円前後。
ドリンクも格安。
庶民の味方、実に正しい大衆居酒屋です。
イカの塩辛。
自家製で浅めの塩が良し。
イカフライ。
ここのフライものは衣が固くてカリカリしているのでとても美味。
焼きそば。
やはり若いだけあってよく食べるな。
私は鉄幹のロックへ。
そして角玉のロック。
土曜日とあって20時近くになるとピークを過ぎたようです。
空席もチラホラ。
そこで厨房が手隙の時だけ特別に作ってくれる裏メニュー、納豆オムレツを注文。
これだけはホール係のお兄さんにこっそり確認。
お兄さんも厨房まで行って確認してからこっそり教えてくれます。
「大丈夫です」
相当食べて飲んで6,000円ちょっと。
それでもこの店では高いほう。
チェーン居酒屋しか知らない息子は感動したようです。
ウトウトとしていたら息子に起こされました。
一人だったら乗り過ごしていたな。
「アイス買って食べ歩きして帰ろうよ」
という息子の提案に応じ、駅前のスーパーでモナ王を。
この町に住んで21年。
引っ越してきた時長男は2歳でした。
確かこんな風にスーパーで買い物をして、一緒に歩いて帰ったなぁ、と朧気な記憶が蘇りました。
多分手をつないで。
今や私より背の高い青年と並んでアイスを食べながら、月日の流れと老いゆく自分を実感しました。
「こうやって息子と歩くことが後何回あるのかな」
とぼんやり考えました。
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