私にとっては初めての町。
ここまでは東京都、埼玉県はこのすぐ先です。
駅前の南口ふれあいど~りという商店街を入ってすぐ。
ここに、かの井之頭五郎も吉田類も来た伝説の店、みゆき食堂があります。
一見よくある駅前の大衆食堂。
しかし、店内に入ると、そのカオスぶりに感動します。
コンクリ打ちっ放しの床やパイプ椅子、むき出しのブレーカーなどは、昭和の駅前大衆食堂としては、さほど珍しいことではありません。
この店をこの店足らしめているのは、膨大な数の短冊。
既に12回来ているK君は、この膨大なメニューを全てエクセルデータ化しています。
一つとして同じものはない、というのが凄いですが、極めて差異の少ないメニューや表記の揺れは見受けられるそうです。
麺類や丼ものなどジャンルごとにまとまっているものもありますが、それ以外の規則性を見出すことは困難です。
短冊の色で、そのメニューが最近貼られた新メニューなのか、昔からある歴史あるメニューなのかがわかります。
もちろん、古くなりすぎて貼り替えた、ということもあるでしょうが。
メニューによっては、キャッチコピー付きもあるのが、ちょっとお茶目な感じ。
大衆食堂にしては、季節メニューを取り入れるという、斬新な取り組みも行われています。
あまりにメニューが多すぎて、お客さんへの注意書きが全く目立たないという事態。
さすがの吉田類も相当驚いたはずです。
離れ離れのテーブルしか空いていなかったのですが、
「そろそろ帰るから」
と親切にも席を譲ってくださるお客さんのお陰で、最初から隣同士の2つのテーブルで一堂に会することができました。
早速乾杯です。
厨房のお母さんたちは、ホールからの注文を見事に捌いています。
これだけの種類の料理のレシピを暗記しているのもさることながら、仕込みはいったいどうなっているのか、と余計な心配をしてしまいます。
まずは焼鳥を各種注文。
皆で寄ってたかって串を抜きます。
分けて食べやすくするためです。
しめさば。
餃子。
たまご好きの私はたまご焼きをオーダーに入れてもらいました。
テーブルの上はたちまち一杯です。
一人飲みが多い私ですが、こういう店は大勢で来たほうが、たくさん食べられます。
玉子焼きの焦げ目が愛おしい。
「これ美味しんですよ」
と「みゆき会」の常連メンバーが勧めるもやしと肉のピリ辛イタメ。
「是非食べてみてください。想像と違ったものが出てきますから」
と幹事の営業のK君の意味深なオーダー。
玉ねぎのフライ。
リングフライ的なものを想像していたので、確かに輪切りには驚きです。
最後のお一人、Nさんが到着して全員集合。
再度乾杯です。
名物みゆきコロッケ。
定食にしかないメニューも単品でオーダー可。
かなりのジャンボサイズです。
かなり箸に力を入れないと割ることが出来ない固い衣の中から、肉の含有量が高い内部が現れます。
ガリガリと齧る感じですが、これはかなり旨い。
ビールが進みます。
ビールの次はレモンサワー。
この店はアルコールの品揃えが限定的。
とはいえ、本来は食堂なので、そこでおかずを肴にして酒を飲むのは客の勝手。
酒まで多品種を揃えだしたら、本当に大変なことになってしまうでしょう。
K君作成の素晴らしいデータベースを使って、おすすめ料理や未食のメニューをセレクトします。
壁面の短冊は時々入れ替わるので、こまめなメンテナンスが必要です。
私には到底出来ない芸当。
ヤキトリかしら。
これは「みゆき会」では未食だそうです。
たまご好きの私のわがままを、会のメンバーは快く受け入れてくださいました。
ハムエッグを注文。
「ソースだよね、やっぱり」
と意見が一致。
定番の流出動画撮影。
しかし想定よりは固めの焼き加減でした。
こういうことに拘るのは私だけではありません。
「みゆき会」の愉快なメンバーは
「もっと半熟で頼もう」
と盛り上がります。
「ソーセージエッグを半熟で」
と焼き加減まで指定。
私の意を汲んだNさんの見事な箸捌きで、実にセクシーな流出動画が撮れました。
新規にチャレンジしたほたてバター。
こんなメニューが単品であるのが、食堂と居酒屋の境界線を曖昧にしているのでしょう。
日に焼けていない短冊に季節の新メニュー、らっきょうがありました。
「手造り・今年のらっきょうです!」
と書かれています。
これは一同絶賛。
揚げ物で脂っこくなった口がさっぱりします。
麺食いの私は大好物の一つ。
これもポン酢でさっぱりと。
「丼はさすがに多いよね」
と言いながら丼セクションの短冊を眺めます。
「カツ丼の上だけ、ってどう?」
という意見に、一同大賛成。
「カツ煮だね!」
そして、膨大なメニューにもない一品をオーダーしました。
カツ丼ご飯抜き。
熱燗と合わせます。
酢豚定食の単品。
カレーライスのライス抜き大盛り。
わがままオーダーを続々と。
カレーのルーは、私の好きなツマミの一つ。
しかし、ルーだけでもすごい量です。
これがカレーライスだったとしたら、いったいどんなことになるのでしょう。
「スパゲティナポリタンが食べたいです」
というNさん。
それは私も大好物。
「目玉焼き、載せてもらってもいいかな?」
と私も図に乗ってK君にオーダーを頼みます。
スパゲティナポリタン目玉のせ。
目玉焼き単品がメニューにあるのですから、出来ないオーダーではないとはいえ、嬉しい。
「あ、固いね、目玉焼き」
「半熟って、はっきり言わないとダメかもね」
「厨房が忙しいと固くなるのかも」
などと勝手なことを言い合います。
300グラムはありそうです。
550円というのはジャポネ並みの破格。
もちろんスパゲティはフォークで宙に浮いてこそ絵になります。
2時間に及ぶ宴会も終了。
熱いお茶を頂きました。
気になるお会計は13,940円。
一人2,000円を切っています。
驚くべきセンベロ酒場。
20円のサービス食券が36枚。
3%相当です。
「きっと消費税導入の時に始めて、そのまま率が変わってないのかもしれないね」
と私は勝手な推測。
大満足の「みゆき会」もお開き。
とても楽しい会でした。
しかし私はこれから千葉まで帰らなければなりません。
しかも昨夜の牛蔵よりもまだ遠いのです。
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みゆき食堂 (定食・食堂 / 清瀬駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.5
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