すっかり閑散として人影のない新橋駅前ビル1号館。
「オヤジビル」として有名なこのビルの飲食店街も、その主役のオヤジたちがリモートワークでは、むべなるかな。
今日は、そんな中でも元気に営業中の「博多もつ鍋 がんこ」へ。
私が新橋に勤務し始めた20年前には既にあったお店です。
当時ブームだった博多もつ鍋の旨い店として人気でした。
カウンターだけの小さなお店なこともあり、予約がなかなか取れなかったことを覚えています。
その「がんこ」が長引くコロナ禍でランチタイムの営業を始めたと知り、訪問の機会を伺っていました。
貴重な出勤日の今日、突撃を敢行。
感染症対策でアクリル板で仕切られて間引かれたカウンター席に、ラストの一席がありました。
時刻は12時15分前。
テーブルには一人鍋のコンロがセットがされています。
スタッフがアルコール消毒液を持って、私の手指を消毒してくれます。
ここまで徹底していても、営業自粛を余儀なくされるお店は本当に大変です。
なんとなく、気分はナイトモード。
完食です。
ジャンボグラスにナミナミ入ったウーロン茶も出てきます。
ランチのもつなべらーめんにセットなのです。
これがビールだったら、どんなに嬉しいでしょう。
歴史の教科書でしか知らないアメリカの「禁酒法時代」は、きっとこんな風だったのでしょうか。
驚くべき安さのメニューや、「ザ・新橋」らしい猥雑な店内が私のB級グルメ魂を刺激します。
しばらくして店員さんが、たっぷりのキャベツを押し込みながら、もつ鍋を差配してくれます。
野菜がしんなりしてきました。
そろそろ食べごろでしょう。
もつは、もう火が通りました。
鍋を火にかけてから15分。
カウンターに4人と、店の前の通路に置かれたテーブルに二人。
ひとり850円で2回も回らないかもしれません。
それでも営業することに意味があるのだという店主の信念を、カウンターの向こうに感じます。
出来上がりました。
美味しそう。
極太のちゃんぽん麺は、二玉入っていそうなボリュームです。
昼間っから、もつ鍋。
幸せでもあり、お酒が飲めない不幸でもあり。
スープの醤油の濃い香りが、食欲よりも飲みたい気持ちを刺激して、困ってしまいます。
小鉢に取り分けるのももどかしく、早速頂きます。
と、その前に薬味を入れるのを忘れていました。
コロナのせいで外食が減り、いろんな勘が鈍っています。
唐辛子をたっぷり振って、改めて頂きます。
煮込んでも柔らかくならないちゃんぽん麺には、もつと野菜の旨味がしっかりとしみ込んでいます。
しみじみ旨い。
やっぱりビールが飲みたいけれど、ウーロン茶で我慢です。
時間の経過とともに、更に旨くなるもつなべらーめん。
ノンアルでこれを食べるのは、まさに修行です。
食べても食べても減りません。
嬉しい悲鳴。
ようやくゴールが見えてきたころには、ほぼ腹パンです。
最後の方は、キャベツの芯までしっかりと旨味が滲みこんでいました。
なんとか寄り切りました。
旨味の凝縮したスープを残すのは後ろ髪を引かれる思い。
ご飯をぶち込んで雑炊にしたい欲求にかられますが、そんなことをしたら、カロリーも塩分も取り過ぎです。
このお店でもPayPayが使えるようになっていたのは驚き。
850円という申し訳ないほどコスパの良いお会計を済ませます。
お店の方から
「ありがとうございました!」
と言われますが、こちらがかえってお礼を言いたい気持ちです。
お店もお客もみんな大変な我慢を強いられるコロナ禍。
政府も自治体も、対策のポイントがずれている気がするのは私だけでしょうか。
「いつでもだれでもどこでもPCR検査ができて、自分のコンディションを知り他人に感染させない」「医療体制の充実で感染者を救う」「迅速かつ広範なワクチン接種で感染を抑え込む」という当たり前の施策が、昨年からずっと言われていることなのに、なぜまだ実現しないのでしょう。
ポリティカルなことは主張したくない私ですが、国民にお願いベースの自粛を要請するばかりで、有事に国民の命と生活を守れない政治家と官僚の無策、無能、後手ぶりには相当腹が立ってきました。
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