父が亡くなって、早や三十三年。
来年には、私も父が亡くなった年を追い越すわけですから、父も随分と早く逝ってしまったものです。
足を悪くした母は、もう何年もお墓参りに行けていませんが、三十三回忌の節目ですし、姉や弟の手もあるので、車椅子を借りてお墓参りに連れて行ってあげることにしました。
お墓は、紅葉で有名な長岡京市の西山光明寺。
といっても、盆暮れしかお参りしたことがない私は、ここで紅葉を見たことがありません。
しかし、新緑が濃い時期ですから、これはこれで美しいもの。
初日から雨の今年のゴールデンウィークですが、今日は晴れていて、母をお墓参りに連れて来ることができました。
門前にある手打ちうどんのお店「もみぢの里」で頂くことにします。
母がまだ元気だった頃、やはりお参りに合わせてお昼を食べた気がしますが、今となってはその記憶も曖昧です。
店先では朝獲れの筍を売っています。
このあたりは、筍の産地で、錦水亭という有名な筍料理のお店もありますが、実は今日はその予約が取れなかったというサイドストーリー。
ご近所の方がキロ単位で予約していた筍の引取に何人も訪れます。
地元で朝獲れの美味しい筍が食べられるとは、羨ましい限り。
車椅子を押してお店にお邪魔すると、元気な女性主人が気を遣ってテーブルを用意してくれます。
元気で優しい接客に、ホッコリ。
丼物もありますが、手打ちうどんの暖簾がかかっていますので、やはりうどんを頂きましょう。
姉、妻、弟の奥さんはにしんうどん。
にしんそばは何度も食べたことがありますが、にしんうどんは初めてです。
母は玉子とじうどんを頼みます。
ガッツリ派の弟はカツ丼、私はざるうどんにしました。
今日は暑いくらいだったので、冷たいうどんが食べたかったのと、手打ちならやはりザルだろうと思ったからです。
素朴な田舎食堂らしい、質素な供され方です。
純白とも思える白いうどんは、箸で手繰っただけで手応えを感じます。
思ったよりも腰があり、しっかりとした喉越しのうどん。
少し甘めのつゆに潜らせて冷たいざるうどんを啜れば、汗も引いていく感じ。
あっという間に食べ終えました。
母はゆっくりとマイペースで食べていましたが、玉子とじうどんをしっかり一人前平らげました。
母は、足腰は弱ったせいで家から出る機会がめっきり減っていますが、今日は内々で気の置けないメンバーと外食ができたので、ご機嫌そう。
さっき車椅子を押していた時、すっかり丸く小さくなってしまった母の背中を見て、母も私もいつの間にか随分と年を取ったものだと感じました。
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