表の言問通りからでも良いのですが、ラブホ街を抜けたほうが近道。
昭和な私はつい「ラブホ」と言ってしまいますが、その言い方も今は古いのでしょうか。
フライデーナイトですが、まだ20時半とあって往来はまばら。
欲望が交錯する街の妖しいネオンも、どこか寂しげです。
線路沿いに歩くこと3分。
目指す店の看板が見えました。
信濃路 鶯谷店。
「定食 そば・うどん」と書かれていますが、ここは24時間営業の呑み処。
昼酒とか朝酒という概念を遥かに超越した飲み屋でもあるのです。
表のコルトン看板のメニューは、実はほんの一例。
男女の欲望が交錯する街、鶯谷の入口でもあり出口でもある関所のような場所に位置するこの店は、昨年、NHKの「ドキュメント72時間」でも取り上げられました。
眠らない街の眠らない人々が、入っては出ていきます。
店内の壁はメニューの短冊で埋め尽くされています。
果たしてこの店で忘年会、新年会をする人がいるのか疑問ではあります。
酎ハイをオーダー。
長いコの字カウンターに囲まれた狭い厨房とカウンターの間は背の低い棚が邪魔しているので、炭酸の瓶を斜めにして差し出してきます。
隣のオジサンはビールを頼んで、受け取り損ねて零していました。
まるでマンガのようなホントの話。
下町の定番、コダマのハイサワー。
あまりにもメニューが多すぎ、しかも三軒目でお腹もさほど空いていないとあって、つまみ選びに苦慮します。
野菜を食べようと、ようやく決めたほうれん草のおひたしは売り切れ。
中国人のお姉さんから
「ハクサイノツケモノハ、ドウデスカ?」
と勧められるままに注文。
24時間営業の店で宵の口に売り切れが出ると、補充はいつされるのか心配になってしまいます。
24時間営業の店で宵の口に売り切れが出ると、補充はいつされるのか心配になってしまいます。
6、7年ぶりに訪れましたが、カオス度は一段と増しているようです。
歴史が今まさに動こうとしていますが、ここで飲んだくれている人たちには全く無関係の話。
味噌汁付きというのが、また嬉しい。
企画がイメトレ通り実現しました。
まずは焼きそばを啜ります。
間違いなくマルちゃん。
だからこそ、旨い。
目玉焼きを焼きそばにスライド・オン。
我ながら天才かも、とひとりで悦に入ります。
痺れる旨さに、全身が震えます。
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