単身赴任時代、何度となく歩いた道。
天神橋筋商店街が三丁目から二丁目に変わる道を東へ。
そこには私がかつて住んでいたマンションがあります。
その少し手前にあるのがバー ホワイトラベル。
大晦日の今日、開いていることをマスターに予め確認しての訪問です。
ドアを開けると、カウンターの向こうにはマスターひとり。
いつも人が集うこのバーも、時々こういうアイドルタイムがあるのです。
カウンターの端の定位置に腰かけて、デュワーズのハイボールを頼みます。
年に何十本も開けたボトルは昨年は一本だけ。
「タマゴサンドは召し上がりますか?」
と聞かれました。
「もちろんです」
と私。
他所で飲んできたであろうことを推察し、私の腹具合を聞いてくれたのですが、たとえ満腹でも、ここのタマゴサンドは別腹。
大阪赴任中に、何百回食べたことでしょう。
しばらくマスターと二人で話しているうちに、ご常連が三々五々姿を現しました。
会話も弾み、グラスも重なります。
いつの間にか日付は変わり、2018年になりました。
静かな年明けを、大切な止まり木で迎えることができました。
実にいい、ゆく年くる年。
時計は1時を回りました。
昔ならどれだけ酔っても歩いてすぐのマンションに帰ることができましたが、今日は電車で実家に帰らなければなりません。
大晦日の終夜運転とはいえ、そろそろ潮時です。
ご常連に挨拶し、マスターに謝辞を述べ、あの頃と同じように東に向かって歩き始めました。
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