今日は夕方に品川シーサイドで仕事がハネて、直帰。
青物横丁駅へ戻る道すがらにある「うなぎ 丸富」の暖簾を潜ります。
ボリュームのある高コスパの鰻丼で人気の店ですが、夜は鰻の串焼きで一杯飲むこともできます。
コの字カウンターのセンターの空いている席に案内されました。
とりあえずビールの中瓶を頼んでからメニューを眺めます。
あたま焼、えり焼と、今日は入荷が少ないので一人ひと串限定のヒレ焼を頼みます。
カウンターの奥では、大声で隣のお客さんを怒鳴りつける声がします。
喧嘩かと思ってびっくりして見ると、古田新太似のデカいガタイにエンポリオアルマーニのTシャツを着た男性。
お店の皆さんも笑っているので、どうやら喧嘩ではなく知り合い同士の軽口のようです。
それにしても声がデカいし、喧嘩口調なのでびっくりしました。
出て来た串焼きは、いずれも美味しそう。
骨の多いあたま焼、脂を感じるヒレ焼、くるくると巻き付けられた食べ応えのあるえり焼を食べ比べながら、ビールも進みます。
メニューにはありませんが、ここは凍結酒があります。
女将さんが冷凍庫から日本酒の一升瓶を出し、グラスにシャーベット状の日本酒をナミナミと注いでくれます。
飲み口が良いので、危険ですが、甘辛い濃口の鰻のタレに実に合います。
古田新太氏の胴間声も、慣れてくるとなかなかウィットに富んだトークで、思わず笑ってしまうような吉本芸人の風味があります。
彼とカウンターを挟んだ真向かいに来た年配女性お一人様は、思わずビールを吹き出しそうになるほどウケています。
私が下町酒場巡りをやめられない、格好の人間観察が今日も楽しめています。
私はきも焼きを追加。
件の古田氏はご常連らしく、店主のお孫さんの誕生日が今日と知っていて差し入れのケーキをプレゼント。
真っ白のロールスロイスで運転手にケーキを買って来させる金持ちぶりです。
幼稚園か小学校低学年位の男の子のお孫さんは、コの字カウンターの中から古田氏とお礼の握手をします。
その後なぜかお客さん全員と握手して回り、まるで有名スターのよう。
私も握手することになりました。
何とも微笑ましい下町らしい光景です。
締めに蒲焼を頼みます。
今日はビールも日本酒も飲んでいるので、鰻丼は控えました。
凍結酒を飲んでいるうちに、お隣の方が食べていた鰻丼並と同じサイズの蒲焼が出てきました。
山椒を振って、大胆に大きく箸で割り、そのままパクリ。
脂ののった白身の鰻の旨味と、しっかりと濃い目の東京らしいタレがあいまった味わい。幸せが口の中いっぱいに広がります。
凍結酒もお代わりし、残しておいたきも焼きと一緒に食べ進みます。
美味しい鰻を気取らない雰囲気で楽しんで、お会計。
蒲焼を食べたので、4,970円は下町ひとり酒としては贅沢ですが、それだけの価値のある今日の丸富でした。
店を出て、青物横丁駅へと歩きます。せっかく京急沿線にいますから立会川のあの店に行ってみます。