呑んべ横丁を抜けて歩きます。
雰囲気のある路地に、昭和のスナックや酒場が並びます。
ホッピーが飲みたかった私のお目当ては、酒処秀。
生ホッピーの飲める貴重な店なのですが、あいにく今日はネタ切れで店仕舞いだと言います。
ホッピーだけでも、と奥さんにすがりましたが、ご主人に却下されました。
残念です。
ならば、と元々締めに予定していた餃子の店蘭州へ。
5分ほど待ってカウンターが空きました。
焼餃子と水餃子を一人前ずつ頼み、出来るまでは紹興酒と烏龍茶玉子でつなぐプランニング。
通称「恐竜の玉子」。
その殻を剥くと、ひび割れた所に沿って茶色い模様がついているのが、その謂れ。
烏龍茶と香辛料の風味が、酒のツマミにはピッタリ。
水餃子が出てきました。
私が知る水餃子で、最も美味しいと思う一品です。
たっぷりの辣油で。
小振りな餃子ですが皮の割合が多いので、もちもちとした皮の食感と、餡のコントラストが実に美味。
焼餃子も出てきました。
焦げ色も美しい。
目の前には大好きなものばかり。
セルフ誕生日会の素晴らしいプレゼント。
カリカリの皮。
猫舌の私はヤケドしないように要注意。
ここの餃子は、注文を受けてからお母さんが皮を伸ばし、餡を詰める作りたて。
時間と手間は掛かりますが、味は抜群です。
ここで禁断の老龍口に手を伸ばします。
黙っていてもチェーサーが出てくるほどの危険な酒。
いわゆる白酒(パイチュウ)ですが、高粱から作られたもの。
個性的な香りで、度数はウイスキーと同等のハードリカーです。
入店した時から気になっていた葉ニンニクラー麺。
「ワンタンも入れて作れますか?」
と、わがままなオーダー。
特注のワンタン葉ニンニクラー麺。
これは実に旨そうなビジュアルです。
しかも緑が多いので、身体に良いに違いないと勝手な解釈も。
スープをひと口。
正統派の優しい醤油味。
今でこそ餃子の名店として知られていますが、昔は駅の反対側でラーメンの屋台をやっていたのが発祥だと聞きました。
もちろんお母さんの手作りワンタンは美味しいに決まっています。
そして中太の縮れ麺は、風味も腰も抜群。
チャーシューも素朴な味わい。
老龍口を飲みながら締めラーメン。
ところがここで急にペースが鈍ってきました。
胃に空きスペースが無くなってきたのです。
やはり年を一つ重ねて、確実に老化が進んだのでしょう。
自制せよ、というお告げかもしれません。
なんとか寄り切りましたが、もう歩けないくらいです。
それでも好きな店で好きなものを食べ、好きなものを飲める幸せ。
いいセルフ誕生日会となりました。
時間はまだ早いですが、今日は帰ることにします。
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