路地裏の昭和レトロビルの二階にある酒処 はづきで食べたかったのです。
ご高齢の優しい女将さんがひとりで切り盛りする小さな割烹です。
ここのランチは女将同様に優しく心のこもった手料理。
何を食べても本当に美味しいのですが、特に今日はここのしゃけ塩焼きが食べたかったのです。
12時に滑り込みセーフでしたが、狭い店は常連さんでたちまち満席です。
ひとりで忙しく切り盛りする女将には頭が下がります。
こちらが手伝いたくなる位ですが、それは余計なお世話。
程なく、いつものようにお盆にセットされたランチが出てきました。
分厚い切り身のしゃけは、いつも脂がのっています。
「仕入れがいいんだな。いつか夜に来たいな」
と思いながらも来れていません。
卓上には昭和世代には堪らないご飯のお供も備えられていて、嬉しい限り。
ご飯がすごく美味しいのも、この店を好きな理由。
味噌汁やお新香も、お袋の味です。
今日の小鉢はタマネギと牛肉の煮物。
実に美味しく炊かれたホカホカふっくらのご飯に鮭をオン・ザ・ライス 。
続けてご飯のお供もオン・ザ・ライス。
しゃけが大きいのでそんな事をしていると、たちまちご飯が足りなくなります。
軽く食べるつもりが、ついご飯をお代わり 。
「ここだから、まあ、いいか」と自分に都合の良い理由を付けます。
結局、お代わりしたのですが、洗い物が増えるのに新しいお茶碗によそってくれました。
感激。
ワンオペで、てんてこ舞いなのに、笑顔を絶やさない優しさに、私の仕事のストレスなど、取るに足らないちっぽけなものだと思わされるから不思議です。
お代は850円。
千円札を渡すと「雨の中ありがとうございます。こちらがお釣りで、こちらが雨の日のお礼です」といって、150円と別に50円を渡されます。
世知辛い平成の世に、涙の出る心のこもったサービスです。
どうか、この店に来られるなら、通う事を前提にお越し頂きたい、とこの店の一ファンとして切に願うのです。
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