2013年12月21日土曜日

出雲~伯耆 山陰の旅② 宍道湖を東へ。小泉八雲記念館と松江城の歴史を訪ね、夜は松江駅前の居酒屋「根っこ」で地の旨いものと旨い酒

旧大社駅から参道を戻り、一畑電鉄出雲大社前駅へ。


古めかしい車両は南海電車の払い下げ。
元鉄ちゃんの血が騒ぎます。


何とか持っていた天気は、電車に乗った途端に激しくなりました。
不幸中の幸い。


 低く垂れこめた雲のせいで、宍道湖も暗く見えます。
 

 しかし、松江に近づいて晴れ間が見えて来ました。


終点の松江しんじ湖温泉駅まで1時間のローカル線の旅。
駅に着いて車両の反対側に水木しげるの漫画の絵が描かれていたのに気が付きました。


松江市内縁結びパーフェクトチケットが活躍。
市内を循環するレイクラインというミニバスも乗り放題。
松江城のお濠の北側は武家屋敷が並ぶ古い町並み。


小泉八雲記念館は訪ねてみたかった場所。
子供の頃、彼の怪談を読んでドキドキした思い出があります。


松江城のお濠は堀川と呼ばれ、遊覧船がゆっくりと一周50分で運航しています。


松江城の公園を抜けてお城へ。


1611年(慶長16年)に竣工。
国の重要文化財に指定されています。
下見板張りと呼ばれる黒く厚い雨覆板で覆われた古い様式。
重厚な印象です。


天守閣の望楼から望む松江市街宍道湖


帰りは強い雨に降られましたが、観光の間は何とか持ちました。
駅前のビジネスホテルで荷物をほどき、旅の疲れを癒すべく向かったのは松江駅前居酒屋根っこ


地モノが美味しいと地元でも評判の店だと聞き、訪れました。


賑やかな店内は満席。
二階では地元のサラリーマンが宴会をやっているようです。
そういう店は間違いありません。
予約の電話を入れておいて良かった。


鬼太郎のボトルを置いている所が、境港に近い松江ならでは。


生卵の食べ放題というのも気になります。


まずは生ビール
まだ五十肩も風邪も本調子ではありません。
しかも昨夜は夜行バス。
旅で歩き疲れた身体にアルコールがじんわりと滲み渡っていきます。


突出し。
右側の貝は亀の手


亀の手は、石灰質の殻をもつ岩礁海岸の固着動物。
手に見える部分と甲に見える部分を持って、パキっと割ると身が取り出せます。


シンプルな塩茹でですが、癖になる味。


本日のおすすめ人気ベストテンといったところから品定め。


泥酔しじみというのが気になりました。
しじみの酒蒸しだそうです。
「飲む前に飲む」のがいいかな。
実にいい出汁が出ていました。



 カニ味噌甲羅盛り


たっぷりのカニ味噌が堪りません。


そして飲んだ後に熱い注ぎ酒をして、クイッと。
カニ味噌の味が滲みて、磯の香りがひれ酒を飲んでいるようです。


日頃は焼酎派の私も、今日ばかりは日本酒で攻めてみようと思います。
せっかくの山陰旅行。
旨い地酒で飲りたいもの。


出雲の地酒王禄の飲み比べセットがありました。
これで決まりです。


純米の超王禄、80%磨きの王禄、そして無ろ過原酒の丈径(たけみち)。


これだけ入って800円とは安い。


ドギの丸干しというのが気になりました。
カウンター越しにその魚を見せてもらいました。
一見ハタハタのような形で粘りもあるようですが、深海魚。


コラーゲンたっぷりという謳い文句通り。
頭から尻尾まで丸かじり。
これは旨い!
やっぱり地物は地酒を益々引き立てます。


松江と言えばのどぐろ
のどぐろのしゃぶしゃぶを食べる事にしました。
昆布を張った水が小鍋に入って出て来ました。


薄切りののどぐろ
もちろん刺身でも食べられるもの。


火をつけてくれますので、煮立つまでしばし待ちます。


しゃぶしゃぶっと。


旨っ!


飲み比べも無くなったので別の地酒で攻めてみることにしました。
奥出雲ワインの産地。
店員さんが勧めるままに、小公子という銘柄をグラスでいただきました。


ふくよかな香り、しっかりとしたボディ。
魚料理にも関わらず、なかなかの相性。


もちろん〆は雑炊です。
一旦小鍋を引き上げ、板場で作ってからまた出してくれます。


これが食べたかったのです。
のどぐろの風味が淡く溶け込んだ出汁で作った雑炊は最高の〆。


大満足の松江の夜の一人酒。
旅の疲れも癒されました。
後は部屋で寝酒を呷って寝るだけ。
明日は境港観光です。



関連ランキング:郷土料理(その他) | 松江駅


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根っこ郷土料理(その他) / 松江駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

出雲~伯耆 山陰の旅① 平成大遷宮を機に日御碕と出雲大社を40年ぶりに訪問。門前の「そば処 田中屋」で三色割子そば

60年ぶりの平成大遷宮。
遙かなる神々の国出雲に、大阪にいるうちに訪れようと思っていましたが、 なかなか機会もないまま年末になってしまいました。
ツアー客でいっぱいの出雲の宿に、一人旅の客の部屋はありません。
そこで思いついたのが夜行バス。
大阪を22:50に出発し、出雲に7:40に着くバスがあることを知り、これなら宿がなくても行けるだろうと弾丸ツアーを企画しました。


天気予報通り出雲は雨。
こんな時だけ当たるんだなぁ。


まずは縁結びパーフェクトチケットを購入。
3,000円一畑バス電車松江市バスが三日間乗り放題。
しかも各種施設の入場料も割引になるお得なチケットです。


これを使って早速日御碕へ。


日本海に面した断崖絶壁の県道29号線を走り、出雲市駅からバスに揺られること45分。
まずは日御碕神社へ。


出雲日御碕は、小学校卒業後の春休みに、当時鉄ちゃんだった私が山陰を鉄道で一人旅した時の思い出の場所の一つ。
40年ぶりの訪問です。
花崗岩の鳥居の向こうには松林を背景に朱の楼門が鮮やかに映え、荘厳な雰囲気を漂わせています。

 

天照大神(あまてらすおおみかみ)が祀られている日沈宮(ひしずみのみや)。
伊勢神宮が「日の本の昼を守る」のに対し、日御碕神社は「日の本の夜を守る」 との神勅により祀ったのが始まりと言われています。


 そのまま神社の裏手に抜けると、そこは冬の荒波が押し寄せる日本海


天照大神が現在の日御碕神社に祀られる前に鎮座されていたという経島(ふみしま)は、日御碕の西方沖の日本海上にある無人島。
その形が「経典」を積み重ねたように見えるためその名が付いたと伝えられています。
ウミネコの繁殖地としても有名で、国の天然記念物に指定されています。


海岸沿いの道を強風に煽られながら歩くこと10分。
日御碕灯台に着きました。

「こんなに寂れた場所だったかな」
と幼いころの記憶を呼び戻してみますが、定かではありません。
私の記憶では、灯台そばまでバス路線があって、バス停から灯台までの沿道は土産物屋と往き交う観光客で賑わっていたからです。


明治36年(1903)に設置され、高さは43.65m、海面から灯塔の頭上までは63.30mと日本一の高さを誇ります。


石造りの灯台は、10年ほど前に塗り替えられたらしく、人気の無さと相まって、その白さがむしろ哀愁を感じさせます。


重く垂れこめた山陰の雲間から降る冷たい雨。
折からの強風で波しぶきが歩道まで吹き上げ、服を濡らします。


外壁は松江市美保関町から硬質の石材を切り出して使用した美しい石造り。
内壁はレンガ造りで施され、外壁と空間をあけた特殊な二重構造となっています。
平成10年に「世界の歴史的灯台百選」の一つに、平成25年に国の登録有形文化財に選ばれました。


163段の螺旋階段を登り、展望台へ。


果てしなく広がる黒い海。
波と風の音しか聞こえません。



再びバス停に戻って、一時間に一本のバスで出雲大社に向かいます。


ランチはもちろん出雲そば
まだ11時ですが、混む前に門前脇のそば処 田中屋へ。

 

朝から何も食べていないので、名物の三色割子一段追加


改築して新しいようですが、老舗。


それぞれの塗椀に異なる具が乗っています。


私の好物の半熟玉子


こちらはとろろ


おろし


追加の一段はシンプルな割子。


美しい彩りに食欲が湧いてきました。


まずは好物の半熟玉子から。


つゆをかけて、絡めていただきます。


とろろも。


やや固めのしっかりした食感のそば。


そばの実を皮ごと石臼で挽くためそばの色は濃く黒く見え、香りが強いのが特徴。




関連ランキング:そば(蕎麦) | 出雲大社前駅

幸い雨も上がりました。
出雲大社にお参りです。
60年ぶりという大遷宮のイベントが5月に行われましたが、その時に比べれば人出はかなり少ないようです。


真ん中は神々の通り道。
参拝客は左右の道を通ります。


拝殿


見事な大注連縄
厳粛な気持ちになります。


本殿でもお参り。
ここは二拝四拍手一礼


大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)の御神座は本殿内北東にあり、正面である南側ではなく西側を向いています。
だから、西側から拝むのが正面となるわけです。
こちらも忘れずに参拝。


40年ぶりの参拝を終えて清々しい気持ちになりました。
しかし、もう一つどうしても寄りたい所があります。


鳥居から2キロほど南にある、旧JR大社線の終着駅、旧大社駅


40年前、私は出雲大社を訪れた後、ここから列車に乗って出雲市駅に出て山陰本線に乗り換え、山口に向かいました。


当時の記憶は朧げですが、きっと賑わっていたはずです。


大正ロマンを感じる見事な建築美。


趣きのある看板。


 D51


線路終点の彼方に大鳥居が見えます。


この改札を乗降客が通り抜けることは、もうありません。


霙が降り始めた大社の町へと、参道を再び戻りました。

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そば処 田中屋そば(蕎麦) / 出雲大社前駅

昼総合点★★★☆☆ 3.3