2018年2月24日土曜日

「いつ開いているのかわからない」超不定期営業の都市伝説。勝田台のつけめん「丸長」に遂に訪問が叶い、伝説のつけそばを食す

かれこれ10年以上前から、その存在が気になっていた地元のお店です。
すぐ隣はちょくちょく飲みに来るもつ焼きの角一
場所は知っていましたが、ランチタイムのみの営業、しかも定休日はあって無いようなもので、営業していない日の方が多いという都市伝説まであって、訪問出来ないまま今に至っていました。


テント看板は綺麗になっていますが、相当な歴史のあるお店。
荻窪にある名店丸長中華そば店の流れを汲むそうです。
先代夫婦と息子夫婦の4人で経営していたのですが、先代ご主人が亡くなってから長期休業となり、いつ営業するのかわからない不定期営業が定着しました。


この日は勝田台の篤々で食べようとお店のツイッターをチェックすると、なんと丸長が営業しているという情報をゲットしました。
この機を逃したら、次はいつ開いているかわかりません。
方針を変更し丸長へ駆けつけました。


11時半の開店前に行列が出来るようで、整理券方式となっています。
私たちは13時半到着という出遅れ感が否めない状況。


ドアを開けると先代の奥さんから
「何人ですか?」
と聞かれます。
「3人なんですけど」
と告げると、しばらくして
「麺が二人前しか無いんです。チャーシューも売り切れました」
と言われました。
息子は篤々に行かせて、妻と二人で食べることにしました。


注文はこいくちつけそば
私はメンマのりトッピング


満席でしたが、順番待ちは先頭。
しかし、なかなかラーメンが出てこないので、テーブルに案内されるまで20分待ちました。
入口のポットに入っている麦茶をセルフサービスで湯呑に注いで空いたテーブルに腰かけます。


振り返ればコミックが本棚にびっしり。
待つことが前提になっているようです。


着席してから更に25分。
ようやく注文したこいくちつけそばが出てきました。


トッピングしたメンマのり


こちらは妻が頼んだトッピングなしのつけそば。
麺の量はかなりあります。
大盛を頼んでいる人が何人かいましたが、マウンテン状態でした。


こいくちというのは、スパイスが一段と効いた、という意味です。


写真では見て知っていましたが、10年越しのご対面です。


平打ち麺は自家製。
茹で時間もかかるのでしょうが、そのあとしっかりと洗って締め、更に水切りも丁寧にしていたので、尚の事待ち時間が増えるのでしょう。
ざるを敷いていなくても器の底に水が溜まっていないのは、その証左。


お腹はペコペコです。
早速頂きます。


醤油ベースに酢を加え、大量の胡椒でスパイシーにしたユニークなつけ汁。
昨今の豚骨魚介系の複雑な味とは全く異なる、オリジナリティ溢れる昭和な味。
きっと醤油、塩、砂糖、酢を大量に使っているのでしょう。
動物系の味はあまり感じません。


妻はあまり気に入らなかったようですが、私は、うどんやそばにも通じる和風のもっちりした平打ち麺が気に入りました。
あまり中華そばっぽくはありません。


トッピングでは品切れだったチャーシューは、少しですがつけ汁に入っています。


メンマは色の割には味がありません。
もう少し味が付いていてもいいなとは思いました。


普通盛りでも結構な麺の量。
食べきれないという妻の分まで食べました。
満腹です。


最後にスープ割。
厨房のカウンターまでお椀を持って行って、継ぎ足してもらうシステムです。


あまりにも長い間、行きたくて恋い焦がれていた店だけに、期待が膨らみ過ぎていたかもしれません。
どうしてこんなに「伝説の名店」になっているのかわからない反面、個性的な麺とつけ汁は確かに他に類をみないだけに、嵌れば中毒性は高いような気もしました。
アットホームな経営は、オペレーションは悪いものの、ほのぼのとしていて好感は持てます。
この自家製モチモチ麺を汁そばにしたら美味しいだろうな、と思いました。




関連ランキング:つけ麺 | 勝田台駅東葉勝田台駅

 
昼総合点★★★☆☆ 3.1

2018年2月23日金曜日

大きく変わった浅草の居酒屋文化② お気に入りの仲御徒町「やきとん ま~ちゃん」で修業した店主が開業した浅草杵屋通り裏の「やきとん たくちゃん」で飲みなおし

ホッピー通り正ちゃんでいまいちしっくりこない一杯となったので、好物のもつ焼きと下町ハイボールで飲みなおそうと田原町方面へと歩いてきました。
杵屋通りの路地裏にあるやきとん たくちゃん


細い路地の奥にあるビニシーの店。
ここは仲御徒町の人気店やきとん ま~ちゃんで修業した店主が独立して開いたお店です。


カウンター席がいっぱいだったので、ビニシーのテーブル席へ。
正ちゃんに続いてのビニシー席ですが、ここは強力なストーブがあるので人心地。
まずは下町ハイボール
メニューにはありませんでしたが、焼酎ハイボールに梅エキスを垂らしてもらいました。


ここにも若い女性客。
おじさん安住の地は、路地裏の下町酒場にも、もはや無いのかもしれません。
だとすれば、私が発想を変えて受け入れるしかないのでしょう。
そろそろノスタルジーとは訣別しないといけません。


メニューを眺めて組み立てを考えます。
メニューの表記方法や、品揃えなどもやきとん ま~ちゃんにそっくり。
ある種の暖簾分けに近い独立だったのかもしれません。


黒板に日本酒の揃えや、その日の希少部位が書かれているところもま~ちゃん譲り。


まずはもつ煮込み
好物の煮玉子も入れてもらいました。
味噌仕立ての味も良い感じ。


ればは鮮度も良く、絶妙のレアな焼き加減。


好物のかしらはお店おススメの味噌ダレで。


希少部位のおっぱい
脂肪質で柔らかく、それでいて歯応えもある独特の食感。


お客さんが続々と訪れて来ました。
カウンターの女性客はおしゃべりに夢中で長っ尻。
私が席を譲る形でビニシー席の一番隅へ移動しました。


さすがに端っこは寒い。
備え付けのひざ掛けを腰に巻いて。
スティッチというのが、なんだか可愛い。


下町ハイボールのナカをお代わり。


最後の一杯を飲んで今日は切り上げることにします。
2020年に向けて、東京は急速に変わりつつあることを実感。
進化を否定する気はありませんが、残して欲しいものがあるという考えが、私には強すぎるのかもしれません。
若い人たちが昔ながらの居酒屋に来てくれなければ、お店が生き残れないことも頭ではわかっていますし、だからお店も変わっていくのです。
そんな変化を受け入れられず、ノスタルジーが強くなることが、「老い」ということなのかもしれません。
私自身が反省すべきことなのでしょう。




関連ランキング:居酒屋 | 田原町駅浅草駅(つくばEXP)浅草駅(東武・都営・メトロ)




大きく変わった浅草の居酒屋文化① すっかり様変わりした浅草の「煮込み通り」。「ホッピー通り」と呼ばれる今、老舗の「正ちゃん」も様変わり

今日は久しぶりに浅草で一杯。
大阪赴任前の2011年までは良く通った街ですが、最近はすっかりご無沙汰です。
浅草駅から仲見世通り、伝法院通りを抜けてホッピー通りに向かいます。
私が上京した30年前は、煮込み通りと呼ばれていました。
今はすっかり綺麗になったウインズ浅草が場外馬券売場だった頃の話。
ネットはもちろん、携帯電話すら無かった時代に、ダミ声で客寄せをする予想屋の弁に耳を傾ける懲りない面々が集う街でした。
当時はそんなギャンブラー相手に安いメシと酒を売る怪しげな煮込み屋が軒を連ねていたのですが、今は雨後の筍のように、にわか仕立てのビニシー屋台がさも昔から商売しているかのようにもっともらしく並んでいます。
若者やインバウンド観光客が集う観光スポットとなり、治安は改善したのでしょうが、私の知る街とは全く変わってしまい、寂しい限り。
大阪の新世界が、取って付けたような串かつ屋が林立して「るるぶタウン」になってしまったのと同じ運命を辿っています。


今のホッピー通りには、こんなに店は無く、煮込みの店は場外馬券場の近くにありました。
今となってはホッピー通りの外れとなってしまった、老舗の正ちゃんがどうなっているのか気になって覗いてみました。


猥雑な雰囲気は変わりませんが、表にビニシーは出していなかったはず。
これも時代の流れでしょうか。


若い女性4人連れという、当時を知る私には信じられない客層の団体が帰った後のビニシー席に座りました。
そして卓上のメニューを見て、更にびっくり。
日英併記なのです。
ここにも外人が食べに来るのでしょう。
どんな風にネットでは紹介されているのでしょうか。
食べログを見ると評価は3.5。
驚きです。


まずはホッピーを頼みます。
で。


とりあえずは牛煮込みを。
さすがに料理は変わっていませんでした。


唐辛子を振っていただきます。


私の隣は若いカップル。
この店に何の抵抗も無いようです。
むしろトレンドなのかもしれません。


手羽先煮
そのまま口に放り込み、口の中で骨を外して別皿に吐き出します。
箸も手も使わずとも食べられる柔らかさですが、お隣の若いカップルは箸で身をほぐしていました。


ナカをお代わり。


もう少しつまみます。
大根煮
葉とイカも入った、なんとも戦後臭のする煮込みです。


大根煮をつまんでいると、私と同世代と思われる男性二人がカップルと入れ替わりに隣に座りました。
群馬から10年ぶりに来たと言い、私が飲んでいるホッピーを指さして
「それは何ですか?」
と聞きます。
説明をして、飲み方も教えて見ず知らずのお客さんと仲良く乾杯。
10年ぶりの牛煮込みにも感動していました。
トレーラーの運転手をしているという兄と、警備員をしているという弟の義兄弟。
ようやくこの酒場らしい雰囲気になって、気分よく締めることが出来ました。
「楽しんでくださいね」
とお別れの挨拶をして、もう一軒飲みなおすことにしました。




関連ランキング:居酒屋 | 浅草駅(つくばEXP)浅草駅(東武・都営・メトロ)田原町駅