3月23日、突然のツイートでした。
「千葉家です 閉店いたします 今までありがとうございました」
という奥さんのつぶやきに、家族全員千葉家ファンの我が家は騒然。
文章も「今日は閉店」なのか「完全に閉店」なのかも判然としません。
つい4日前にお邪魔して、美味しいラーメンを頂いたばかり。
ご夫婦とも、いつもと変わらない明るい接客でしたし、お客さんは引きも切らない繁盛店だけに、理由も見当たりません。
もちろんネット上でも大騒ぎになっています。
1998年9月8日の創業以来、コロナ禍も乗り越えて今年25年を迎えます。
我が家もほぼ開店当初からお邪魔している大好きなお店。
いつも明るく元気な記憶力抜群の奥さんと、真剣勝負でラーメンと向き合うご主人の連係プレーで美味しいラーメンを、更に美味しく頂いてきました。
翌日、再び奥さんのつぶやきがあり、少し事情が見えてきました。
やはりご夫婦二人で超人気店を切り盛りするには、精神的肉体的負担が大きく、それがお二人にとって長年ボディーブローのように効いていたと推察されました。
従業員募集も告知され、千葉家の味を引き継いていくとともに、働き方改革も進めていくとの考えも明らかになりました。
千葉家の突然の休業は、地元千葉日報にご主人のインタビュー記事が掲載されるほど、反響の大きなニュースとなりました。
そういえば、コロナ禍真っ只中の2021年に、「記憶力の低下に年齢を感じている」というツイートもありました。
「食券機を導入すること、課題も徐々に解決に向かっており、4月15日(土)に営業を再開」という朗報でした。
これは絶対に行かなければなりません。
三男と二人でオープン一時間前の10時着で家を出ることにしました。
そして再オープン初日の今朝、奥さんのツイートがアップされました。
千葉家のステッカーの配布のお知らせ。
ご夫婦のお客さんに対する感謝の気持ちが伝わってきて、感動。
あいにくの雨模様です。
千葉家には予定通り10時前に着きました。
お店の前には既に長い行列が出来ています。
やはり再開を待ち望む熱いファンが駆け付けているのです。
駐車場は早くも満車。
駐車場の順番待ちを息子に任せ、私はお店の行列の最後尾、お店の裏のプロパンガスのタンクあたりに並びます。
私の前にはざっと20人弱といったところ。
たちまち後ろにも列が伸びていきます。
肌寒い日となりましたが、建物の軒があるので傘を差さなくても待てるのが幸いです。
30分アーリーの10時半オープンとなりました。
少しずつ列が進んでいきます。
大好きなお店の美味しいラーメンを食べられると思うと、ディズニーランドのアトラクションに並んでいるようなもので、その時間も楽しい。
11時少し前、並び始めてから丁度1時間で入店となりました。
働き方改革の一環である券売機がどんなものなのか気になっていたのですが、まだ設置されていませんでした。
「券売機は受注生産で、納品まで3、4週間かかるみたいなんです。連休明けしばらくしてからになると思います!」
というご主人のお話を聞いて納得。
今日は事前に注文を聞かれることは無く、着席してから奥さんが注文を聞いてくれます。
「すいません!券売機がまだなんで、今日は旧式で(笑)!」
と今まで通りの暗記スタイルでした。
もちろんこちらが注文する前に、彼女の記憶の引き出しから
「かため、油少なめ」
という注文が出てきます。
私たちはサイズを言うだけ。
ステッカーも配ってくださいました。
「すいません、家族全員の分もらってもいいですか?」
とちょっと厚かましいお願いをしましたが、奥さんは快く了解してくださいました。
今日は来ていない妻と長男、次男の分も含めて5枚頂きました。
スマホケースに貼りましょう。
お客さんが少しでも待たないようにという優しさから、効率的な注文方法や配席オペレーションに腐心していたご夫婦ですが、行列の人気店はどこも券売機を置いているので、客の側に抵抗感はありません。
券売機が導入されたら、並ぶ前に買うのか、入店時に買うのか、かためや油少なめなどは口頭なのか、などの興味はありますが、とにかくご夫婦に負担のかからない方法が一番です。
私たちは、ただ待っていれば良いのです。
今日は座ってからの注文だったので、出て来るまで15分ほど待ちましたが、それで奥さんやご主人の負荷が減るなら全く問題ありません。
久しぶりの再開ということで、年甲斐もなく中盛を頼んでしまいました。
ほうれん草、チャーシュー、海苔というデフォルトのトッピング。
豚骨スープの良い香りが食欲を刺激します。
まずはスープをひと口。
本牧家の流れを汲む豚骨スープは、千葉家独自の進化を遂げ、豚骨のワイルドな風味と臭みを残しつつ、後味の良い「すっきり」系とも言える味に仕上げています。
ラーメンを作りながら、スープの加減を調整するご主人を見ていると、まさに職人技を感じます。
続いて麺を啜ります。
家系定番の酒井製麺の極太縮れ麺を引き上げます。
いつもかためでお願いしているので、麺の存在感も際立ちます。
「すっきり」系とはいいながら、そこは家系。
パンチのあるスープとガチンコ勝負です。
チャーシューは脂の少ない部位。
家系定番のほうれん草とも麺を絡めて食べ進みます。
一瞬、二度と食べられないかと思った千葉家のラーメンに再会できた喜びを噛みしめます。
今、このカウンターで食べている他のお客さんも皆さん同じ気持ちでしょう。
中盤でニンニクとショウガ、ブラックペッパーを加えて味変。
つい欲張って中盛のしたのが、終盤に堪えてきました。
もう若くはないのです。
完食。
なんとか寄り切りました。
飲み干したいくらい美味しいスープですが、それは我慢。
突然の閉店宣言前と変わらず、明るく元気で楽しい接客のご夫妻。
券売機も新しい従業員の方もまだでしたが、閉店まで考えた末の千葉家の「働き方改革」は必ず成功することでしょう。
今日も
「ごちそうさまでした!」
と感謝の言葉をご夫妻に告げ
「ありがとうございました!」
という声に見送られてお店を後にしました。
我々ファンは、美味しいラーメンを美味しく頂き、
「美味しかったです!また来ます!」
と言うことしができないのですが。
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