週末から気温が一気に上がって、今週は真夏日手前の最高気温が続きます。
「これだけ暑いと、冷やし中華だな」
と思い立ちました。
しかし、冷やし中華は突然貼紙とともに始まり、何の予告も無く終わる、未だその生態が謎に包まれた料理。
しかし、そんな冷やし中華がいつでも食べられるという、ハウス栽培のような素晴らしいお店があります。
新橋「四季煲坊」。
大久保佳代子似のママが仕切る四川風中華料理。
ママもそれをウリにしているのが、何ともチャーミング。
「早い、安い、旨い」というどこかの牛丼屋のようなクオリティとサービスは、新橋サラリーマンの強い味方。
12時15分という出遅れランチ。
以前なら行列でしたが、コロナ禍でスムーズな入店は、嬉しいような寂しいような気分。
カウンター席に案内されます。
店外はもちろん、店内も満艦飾。
飛び交う中国語に、海外旅行に行けないコロナ禍でも、まるで香港に来たような気分に浸れるのですから、その意味でもお得なお店。
四川風を謳っていますが、幅広いラインナップ。
「ガチ中華」がブームになる遥か前から、この地で「本場の庶民派中華料理」を出し続けている人気店です。
今時半端な値段で営業を続けていますが、釣銭の用意が大変だろうな、などと余計な心配をするのが、私の悪い癖。
お目当ての四川風冷やし中華も、しっかり定番メニュー。
3月でも食べられるのは、実に有難い。
お茶は、ジョッキで出てきます。
何だか昼からウーロンハイを飲んでいるような、エアー昼酒です。
ちょうど注文が立て込んでいたので、出て来るまで7、8分待ちました。
久しぶりのご対面。
たっぷりの具材に辛い味噌ダレがかかっています。
当店オリジナル冷やし中華は、テレビで何度も紹介されている看板メニュー。
厚切りの蒸し鶏。
やはり厚切りのキュウリ。
刻んだレタス。
たまご好きの私には嬉しい、茹で玉子がアクセント。
たっぷりの具材をかきわけて、麺を手繰ります。
しっかり水で締められているだけではなく、この麺の下、というか丼の底には氷が仕込まれています。
最後まで冷たい冷やし中華という仕掛け。
どれも大きな具材は食べ応えあり。
もも肉の蒸し鶏は柔らかく、鶏の旨味を感じます。
しっかりと底から混ぜ合わせて、辛みの均質化を図ります。
もちろんシャツに飛ばさないように細心の注意を払わなければなりません。
忙しくて忘れていたのか、ザーサイが今頃出てきました。
これもすごい量。
もちろんドバっと丼にイン。
本来は辛いはずの四川風冷やし中華ですが、氷が次第に溶けて味がマイルドになってくるので、卓上の山椒粉を振って味変。
完食です。
溶けて小さくなった魔法の氷も、その姿を現しました。
最後は、これまた名物のデザート、杏仁豆腐。
こんなに盛り付けていいのか、というボリュームです。
食べても食べても減らない杏仁豆腐。
これだけでも価値があると言えます。
すっかり満腹、大満足。
2018年3月以来の訪問ですから、いつの間にか5年も間が空いていました。
かつては、夜に宴会をしたこともあるお気に入りのお店なのに、コロナ禍以降は、あちこちに本当に不義理をしてばかり。
またお邪魔します、佳代子ママ!