もつ焼き鶴田に振られ、飛び込んだ馬力 神田南口店で外した私は、このまま帰るわけにいきません。
頭に浮かんだのは、神田では間違いないお店、立ち飲み 大松。
神田北口のガード下に足を向けます。
自分的にはこのエリアナンバーワンの立ち飲みですが、超人気店。
「振られたらどうしよう」
と案じていましたが、辛うじて入れました。
辛うじて空いていたL字カウウターの奥のスペースに案内され、まずは黒ホッピーを頼んで冷静さを取り戻します。
もちろんここはもつ焼きの店ではありませんが、いわし料理をはじめ、海鮮が旨い店。
まずは刺身三点盛りを頼みます。
カウンターの中の大将の見事な包丁さばきで美しく盛られたぶり、むつ、炙りかつおが出てきました。
レベルの高い刺身を一切れ一切れ味わいながら、ホッピーが進みます。
たちまちナカをお代わり。
続いてはいわし料理を頼みます。
いつも刺身やなめろう、蒲焼きが多いので、今日は未食のいわし竜田揚げを頼みます。
大量に積まれた厨房のいわしを手際よく処理して油の入った大鍋へ。
心地良い揚げ音が、唾液の分泌を促進します。
こんがりとキツネ色に揚がった竜田揚。
添えられたレモンを搾り、マヨネーズをデイップするのももどかしく、パクリと一口。
「なにこれ、ヤバいでしょ」
立ち飲みなのに、立っていられない程の旨さ。
ここでアルコールは角ハイボールにチェンジして、締めのつみれ鍋を頼みます。
火にかけられた小さな土鍋は、かなりの時間、グツグツと煮込みます。
ようやく出てきたいわしのつみれ鍋はたっぷりのニラがのっています。
鍋から立ち上がるいわしの良い香りがたまりません。
ヤケドに気をつけつつ、豆腐とつみれとニラ、それに出汁を小鉢に移して、いただきます。
つみれのフワトロ加減が堪りません。
濃厚ないわしの旨味を感じるつみれや出汁は、九十九里でもなかなか無いレベル。
それが神田で食べられるという幸せ。
しかも480円って、有り得ない。
一軒目の失敗を取り返した二軒目の成功。
ニセンベロ のお会計を済ませ、神田駅へ向かいます。